トルコ

ビベル・ドルマス biber dolması [トルコ風ピーマンの肉詰め]

ビベル・ドルマス ピーマンの肉詰め
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ビベルはピーマン、ドルマは詰め物というトルコ語。中が空洞になっているピーマンに詰め物をした料理というのは世界中で一般的ですが、中に詰められる材料は多種多様です。
我が家ではハンバーグの種に近い挽肉類を詰めることが多いですが、トルコでは肉だけでなく、米を詰めたりします。
特に米入りの冷たいドルマは、米=主食の日本人にはいなり寿司でも食べているような不思議な感覚に陥ります。トルコ人には米は野菜。この違いがとても興味深い。

ビベル・ドルマス ピーマンの肉詰めビベル・ドルマス ピーマンの肉詰め

おなじみピーマンの肉詰めも羊の肉です。

パトゥルジャン・ケバブ 茄子と挽肉のケバブパトゥルジャン・ケバブ 茄子と挽肉のケバブ

肉が入らないドルマはオリーブオイルをベースとした冷菜。そして肉とバターが入ったドルマは温菜として食べます。

野菜のドルマはゼイティン・ヤール・ドルマ、別名でヤランジュ・ドルマ(ドルマもどき)といいます。
元々は肉入りのガッツリ主食。精進料理のような野菜だけドルマは後年の料理だそう。

唐辛子(含むピーマン)類は中南米原産。
唐辛子がヨーロッパ経由で伝わる前はビベルは胡椒のことでした。
胡椒との区別の為にイェシル・ビベル(緑の唐辛子)、クルムズ・ビベル(赤唐辛子)、カラ・ビベル(黒胡椒)と呼ぶようになりました。
ピーマンは単にビベルとも呼びますが、あえて区別したい時には
ドルマルク・ビベリ(詰め物料理用のビベル)と呼びます。

そういえば唐辛子(プリック)が料理に欠かせないタイも唐辛子が渡来する前の辛味づけは胡椒。
唐辛子の渡来で、胡椒をプリック・タイオン、赤唐辛子をプリック・チーファーなどと
トルコと同じように呼び分けるようになりました。
スペイン人が南米襲ったことって、世界中の食文化に激震を走らせたんですね~。

話をドルマに戻すと、詰め物をする野菜もいろいろです。
パトルジャン(茄子)、エンギナール(アーティチョーク)、ソアン(タマネギ)、プラサ(西洋ネギ)など。
中南米原産のビベル(ピーマン)、トマテス(トマト)、タトル・カバク(カボチャ)などは、もはや定番!

その他、詰めた物だけでなく、葉っぱでまいた物もドルマと呼びます。
ラハナ・ドルマスとはトルコ風のロールキャベツです。

我々がよく食べる洋風料理との一番の違いは挽肉が羊肉なことかな。
そしてオリーブオイルが大好きであれば、ドルマ類は食べやすいと思いますよ。