台湾

客家小炒 ke jia xiao chao [スルメイカと野菜の香味炒め]

客家小炒 ke jia xiao chao [スルメイカと野菜の香味炒め]
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客家kejiaは大陸を転々と移動しながら暮らした客家民族のこと。客家小炒は、肉や魚などの保存食と野菜を一緒に炒めた皿で客家民族の代表的な家庭料理の一つです。台湾ではこのメインの保存食に干しスルメイカが使われていることが多い。
水で戻したスルメイカ、豚の脂、芹菜、葱などを唐辛子とニンニクと共に炒め、砂糖や醤油で甘辛く濃い味に仕上げてあります。
甘味、辛味、うまみのバランスがとても良く、ほんの少しでご飯が何杯でも行けちゃいそうな味です。

客家小炒 スルメイカと野菜の醤油炒め客家小炒 スルメイカと野菜の醤油炒め

味が濃いめのイカの炒め物。つまみにもいい感じ。

客家小炒の皿 烏賊の薫製と野菜の醤油炒め客家小炒の皿 烏賊の薫製と野菜の醤油炒め

客家民族のルーツは中国大陸の北部です。
その昔、戦乱で故郷を追われたことで徐々に南下したことから中国南部や台湾、東南アジアなどに分散して暮らしています。
有名な客家円楼はよその土地で暮らすための彼らの知恵です。
 
戦渦を逃れるために山林に暮らしたり、移動を繰り返したことから、野菜の漬け物や干し魚などの保存食を多用します。
客家料理の多くは、携帯に便利で日持ちがよく、塩分や脂肪分が多く、味付けが濃いのが特徴です。
 
この料理は干したスルメイカという保存食を使って作ったワケです。
 
この料理の起源は貧しかった時代に新年の「拜拜(供養)」でお供えした
三枚肉や魚を細切りにして油で揚げて作った保存食がルーツです。
その保存食を少しずつ野菜と加えて炒めて食べたとか。
 
今ではスルメイカを使うのが一般的ですが、脂身と一緒に炒めるのは、
イカには足りない甘味とコクを補うためなのかもしれません。
 
ちなみにとある本では客家人を「アジアのユダヤ人」と称しておりましたが、
中国、台湾、東南アジアの偉人には客家民族出身の人も多く、
言い得て妙だなと思いました。台湾だと李登輝前総統です。
 
台湾ではあらゆる種類の中華料理が食べられますが、客家料理は外せません。
特にこの「客家小炒」はルーツを思い浮かべるとノスタルジーに浸れます。お試しを。
 

鄰家蒸餃

鄰家蒸餃 外観台湾台東の鄰家蒸餃 外観

台東市中正路48號 tel:089-333020
 
台湾東南部にある台東市にある蒸し餃子のお店。
蒸し餃子や麺類の他、炒め物や冷菜などのおかずもあります。
入店してすぐに注文票をもらい、食べたいものをチェックして先に精算する仕組みなので日本人には利用しやすい。
(欧米人はこまるだろな~。漢字読めなくて。)