台湾

潮州冷熱冰 cháo zhōu lěng rè bīng [台湾風かき氷汁粉]

潮州冷熱冰 cháo zhōu lěng rè bīng [台湾風かき氷汁粉]
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潮州は台湾南部屏東県にある地名のこと。冷lengは冷たい、熱reは温かい、そして冰bingは氷のことです。「冷たくて温かい氷ってなんのこっちゃ?」と思ってしまいますが、実は小豆などの煮豆やお団子、タロイモが入ったピーナツ糖水にかき氷を山盛りに盛ったもの。仕上げにシロップがかけられます。
かき氷を崩しながら少しずつぜんざいと混合し、溶かしながら食べるというなんとも不思議なデザートです。

潮州冷熱冰 台湾風かき氷汁粉潮州冷熱冰 台湾風かき氷汁粉

台湾の素朴菓子。暑い台湾なので汁粉が氷になる。

潮州冷熱冰 台湾風かき氷汁粉 氷を崩す前潮州冷熱冰 台湾風かき氷汁粉 氷を崩す前

冷熱冰は「八寶冰」というかき氷と材料が似ています。
八寶冰はかき氷の上に8種類のトッピング(具)を乗せた物で、乗っている具は緑豆、ピーナッツ、はと麦、紅豆、タロイモ、仙草、花豆、タピオカなどなどで、おやつでありながら栄養や薬膳効果を考えてあります。
 
冷熱冰の具も似ていますが、特徴的なのはタロイモと団子が入ること。むっちりしたお団子やねっとりほこほこのお芋と氷という対比が不思議。ぜんざいの汁も元々甘さが控えめですが、氷が溶けるとさらに薄くなる。

潮州冷熱冰 台湾風かき氷汁粉 氷が溶けたあと潮州冷熱冰 台湾風かき氷汁粉 氷が溶けたあと

薄くなるんだけど、水っぽいのとは違って、なんとも絶妙な味加減です。
団子や芋も別に煮てあるので味がちゃんとついているからかな。
これは夏の暑い時期に食べるのが最高に旨いだろうなと。
 
このおやつ。元々は湯圓 と呼ばれる温かいお団子と氷は別提供でした。
お団子を食べていたお客さんがあまりの熱さに「氷を入れて」とお店の人に頼んだのがきっかけで、熱い具ときんきんに冷えた氷を自分の間合いでミックスしながら食べるという食べ方が生まれたそうです。
 
中華系の人ってよく「冷たい食べ物は体に悪い!」と言いますが、
それでも夏の暑さには氷を食べずにいられない。
そういう華人の健康思想にも見事にマッチする食べ方のような気もします。
 
ちなみに九イ分には阿柑姨芋圓という白玉団子入り汁粉が名物のお店があります。
こちらのお店でも「温かい」ものと「冷たい」ものが選べるのですが、
このお店の「冷たい」方ははかき氷を盛った上に具を乗せて汁粉をかけてくれます。
九イ分の方が観光客に行きやすい場所なので、機会があったらお試しを。
 

正老牌潮州冷熱冰

潮州冷熱冰 店舗外観潮州冷熱冰 店舗外観

屏東縣潮州鎮新生路120號 tel: 08-7886117 09:30~22:30
 
台鉄潮州駅から徒歩7分くらいの場所にある冷熱冰の有名店。
店内は味も素っ気もなく古びていますが、お客さんがとぎれません。
このお店の冷熱冰を食べるためにわざわざ台北から訪れる人もいるそうで、お店の壁には有名人のサインなども一杯貼ってあります。
一応総合冷熱冰が売りのようですが、落花生氷とか具を単品にもできますし、温かいぜんざいだけを注文することも可能です。
私は冬に行っちゃったので、是非これは夏に食べてみたい味でした。
(日本のかき氷を想像して食べると全くの別物ですからご注意を。)