各国食文化解説

トルコ料理

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ルコ料理ときいてとりわけ話題になるのは「何で世界三大料理?」ということ。この世界三大料理がフランス料理、中華料理、トルコ料理と言っているのが一体誰かと言えば、トルコ人本人だったりする。(ヨーロッパの美食家にも少なくはないそう。)
日本で浸透しているトルコ料理はドネルケバブくらいなので羊=イスラムの印象がを強くしているが、食材としてイスラムの食禁忌こそあれど、むしろ食文化は中欧アジアの遊牧文化をルーツにしています。羊はハレの日に食べる食材で、普段はむしろ乳製品や豆料理をよく食べていたので、これらの材料を使った料理も豊富です。
トルコ民族はアジアの東北部を出発し、遊牧民の食文化、イスラム、アナトリア、地中海の食文化を融合しながら現在の場所に定着しました。
さらにトルコで生まれてヨーロッパや西アジアに広がっていった料理も数多くあり、トルコはまさに食文化の交差点のような国です。

トルコ料理の主な特徴

アジュル・エズメ ピリ辛トマトペースト

■パンを主食にし、食事パンやパイの種類が豊富。

ふわふわのバゲットに似た形のパンが欠かせない。

小麦を使ったパイは豊富だが、麺は余り食べない。

餃子に似たマントゥはニンニクヨーグルトで食べる。

米は副食やお菓子の原料。トルコ発祥のピラフはおかずのひとつ。

■乳製品が豊富である。

チーズの種類が豊富。特に白チーズは食卓に欠かせない。

肉系の温かい料理で使用する油はバター。(バターは高いのでマーガリンのことも多い。)

ヨーグルトはブルガリアではなくトルコが発祥。
前菜プレート メゼ トルコ

■豆類は主要なタンパク源のひとつである。

スープ、煮物、ペーストなどで頻繁に食卓にあがる。

白インゲン豆のトマト煮クルファスリエは国民食。

芋類は余り浸透していない。

■羊は頭からつま先まであらゆる部位を食べる。

戒律で定めた方法で処理しないと食用にできない。

柔らかくて美味しい仔羊(クズ)が最も高価。

肉意外は、頭、脳みそ、内臓、睾丸などが食用、軟骨はスープにする。

羊でとっただしが煮物の味つけによく使われる。
キレミット・ケバブ(肉とトマトの窯焼き)

■食材として、調味料として、彩りとしてトマトをよく使う。

トマトをつぶして濾したピューレを調味料として使う。

食材として浸透したのは20世紀なのにもはや欠かせない存在。

■料理に砂糖をあまり使わない。

料理の甘味付けによく使われる食材はタマネギ。

トマトが普及する前はタマネギが味つけの主役だった。

■オリーブオイルをよく使う。

主に野菜を使った料理に使われる。
マントゥを作るおばあちゃん

■イスラム圏だがお酒が簡単に手に入る。

政教分離の国なのでイスラム教徒が多いがお酒は売られている。

ラクと呼ばれるブドウの蒸留酒や、馬乳酒などがある。

■周辺各地の食文化の交差点のようなところである。

アラビア語、ペルシャ語、ギリシャ語など周辺各地の言葉を

そのまま引き継いだ食材がたくさんある。

トルコで生まれ各地に伝わった料理も多数。(ピラフや肉詰めなど)

地域による特徴

三方を海で囲まれ、東はグルジア、アルメニア、イラン、南東にイラク、シリアに国境を接しており、
東西文明の交差点のごとく、多彩な料理法、食材が入り交じり、現在のトルコ料理が形作られました。
国土も広く、海に面した温暖な海岸部に対し、東部高原地帯は雪が降り積もるなど、
地方により、気候も大きく異なります。
このような地形や気候、環境の違いで地方によって食材や味が異なります。

地域によるざっくりとした違い

■イスタンブールと近郊

3つの帝都となった歴史があり宮廷料理もある。

アジアとヨーロッパにまたがる文化の交差点。世界各国、トルコ各地方の料理が食べられる。

高級レストランから庶民的な屋台まで幅広いジャンルがある。

ブルサでは栗の栽培が盛んでマロングラッセが有名。

■黒海地方

漁業が盛んで魚をよく食べる。バターと魚介が特徴。

トルコの魚料理はシンプルなものが多い中、カタクチイワシを使った様々な料理がある。

茶、タバコ、とうもろこし、ヘーゼルナッツなどの栽培が盛ん。

■エーゲ海沿岸

オリーヴ栽培が盛んで、各地に出荷される。

■地中海沿岸

トマト栽培が盛ん。トマトペーストは日本は主要輸出国のひとつ。

■東南部

羊を地中で蒸し焼きにする豪快な料理が有名。

アダナはアジアからのスパイス貿易の拠点として栄え、香辛料をふんだんに使った料理が多い。

■中部アナトリア

遊牧民族のルーツが残り羊と乳製品を活用した料理が多い。

サチと呼ばれる浅鍋料理や壺焼き料理などがある。

魚料理は少ないが淡水魚の鱒を食べることもある。

トルコ料理をもっと知る

近年のエスニック料理流行やトルコ人経営のドネルケバブ屋さんの流行、サッカーのワールドカップでの対戦などを交え、日本でも徐々にトルコの知名度もあがってきましたが、
トルコ料理となるとまだまだ知名度は微妙なところです。
トルコ料理をこよなく愛し、料理には保守的なトルコ人。その神髄は家庭料理にあるともよく言われます。アラブ料理ほど香辛料はきつくなく、野菜をふんだんに使った料理が多く、
オリーブオイルさえ大丈夫であれば美味しいハズです。

トルコ料理を知るwebサイト

トルコ食材大全
 トルコの食材を辞書のようにまとめたサイト。トルコに関する著書も多い細川直子氏運営
トゥライのトルコ料理
 トルコ人によるトルコ料理レシピサイト。 (日本語)
日本でできる!家庭のトルコ料理かんたんレシピ
 トルコ人によるトルコ料理レシピサイト。 (日本語)
メルハバ通信
 トルコ在住邦人によるレポート。コラムの中に時々料理の話題もあります。

トルコ料理を知る本

世界の食文化 (9) トルコ

トルコで私も考えた-21世紀編- (クイーンズコミックス ワイド版)

トルコの幸せな食卓

トルコ料理―東西交差路の食風景 (World Cooking)

現在トルコ料理についての解説や民族色豊かな地方料理についても詳しい。
トルコ料理のレシピ本ではなく、トルコ文化のひとつとして料理に注目した書籍で
紅茶から羊の解体まで掲載されるくらいです。
料理はカラー写真で紹介され、レシピも付いています。
レストランの紹介もありますが、お店は年月と共に変わっていくので古くなると使えなくなる。

トルコのごはん

子供向けにトルコ料理を紹介した絵本。
トルコ人が普段どんな食卓を囲んでいるか、トルコの習慣などを子供にもわかるように書かれた本ですが、
丁寧な作りで大人もそれなりに楽しめる。
朝、昼、晩のご飯の様子、食事のマナーや断食のことなど。
レシピも少し掲載されています。

世界の料理いただきまーす。 トルコ・ハンガリー

トルコ料理 レシピ本

家庭で作れるトルコ料理

トルコ家庭料理レシピ集―簡単!ヘルシーCooking

トルコ食材を買う

トルコのオリーブオイル ドアル

トルコ人店長メテさんによるトルコ食材通販サイト。
オリーブオイル、オリーブ、ワイン、ジャム等、トルコの上質な食材をセレクトして販売している。
店長自身が食べたい、欲しいと思う物を選び、絶対に胸を張ってオススメできる物しか売らないというポリシーを持った商品展開。厳選商品を迷わず購入できるのが嬉しい。
店名のドアルはトルコ語で「自然」という意味。アナトリア、エーゲ海の太陽、風、海の恵みを日本人に知って欲しいという願いから付けられたということ。
ちなみに実店舗は大田区の馬込です。

アメ横大津屋スパイス・豆の専門店

トルコ料理に欠かせないハーブやスパイス、お菓子にたっぷり入れたいナッツ類の扱いが豊富。
エスニック料理を作る時には欠かせないお店です。
トルコ食材専門店ではありませんが憶えておいて損はないですよ。

地中海

地中海沿岸の国々のワインやお菓子などを扱うお店。
どちらかというとモロッコやチュニジアの雑貨などの方が中心。
トルコはバクラバなどのお菓子を扱っています。