シニッツェルはドイツ語で肉の切れ端や薄切りのことですが、それがそのまま料理名として根付いてしまったもの。肉を叩いて薄く伸ばし、パン粉を付けたものをバターを引いたフライパンで揚げ焼きにした料理で、有名なのは子牛を使ったウィーン風カツレツ、ウィーナーシニッツェル。
東欧、地中海沿岸からイスラエルまで、ドイツ語の名称そのままに伝わったカツレツ料理がこちらです。
もともとはシニッツェルは肉の種類は関係なく、肉の薄切りや切れ端のことを指していましたが、
現在は様々な国で料理名となって定着しています。
そのルーツはドイツ系の移民によって東欧などに、
ドイツ系ユダヤ人によってイスラエルに伝わったと推測されていて、
イスラエルでは鶏肉や七面鳥を使ったカツレツになって根付いています。
ギリシャでもドイツ語の料理名そのままの鶏肉のシニッツェルにであいました。
東欧の南、イスラエルの北にあるだけに間違いなく伝搬の通り道だと納得の一品です。
ちなみにパン粉にパルメザンチーズを混ぜて揚げ焼きにしたものをミラノ風カツレツと呼びますが、
スペイン語圏ではこの「ミラノ風」という言葉だけが一人歩きをして、ミラノ風を指すミラネッサという言葉自体がカツレツとい意味として使われます。
なのでスペインがかつて侵攻した中南米の国々では、伸ばした肉にパン粉を付けて
揚げ焼きにしたシニッツェルと同じ料理をミラネッサという。
(参考≫ミラネッサ・デ・ポジョ miranesa de pollo [鶏肉のカツレツ])
伝言ゲームだって人数が多ければなかなか正確に伝わらない。
ましてや料理なんて美味しければそれでいいですし。名前なんていい加減な物ですね。