薑母jiāng mǔは生姜、鴨yāは漢字のそのまんまの意味で鴨肉です。薑母は生姜と言っても三年以上栽培した生姜のことをいいます。
生姜をたっぷり入れた薬膳スープで鴨や野菜を煮込んで食べる薬膳鍋で、台湾では羊肉爐などと並ぶ冬の定番料理の一つ。
生姜と鴨肉をごま油で炒め、酒をたっぷり入れた鍋に薬膳を加えてぐつぐつと煮込んで作ります。
煮込んでいるうちに料理酒のアルコールも飛び、スープに溶け出した薬膳と生姜のおかげで、体がぽっかぽかに温まる。
沖縄より少し南だけど、冬は冬でそれなりに寒くなる台湾ですから、こういう鍋料理が流行るのも頷けます。
体がぽかぽかになる冬の定番鍋料理
この料理はとにかく生姜の量が半端ないです。
通常、日本の料理で生姜を使うときはせいぜい「一かけ」をスライスしたり、すりおろしたり使う物ですが、その何杯もの量をスライスして使います。(そういえば羊の薬膳鍋も生姜の量は多かったなぁ。)
野菜や茸はお好みで自分の食べたいものをオーダーすればOKです。
私が入ったお店では、既に下ごしらえが済んだ状態の鴨鍋が鍋ごと供され、後は追加で頼んだキャベツをドカドカ入れて煮込むだけ。
鍋をぐつぐつ煮ていると、そのうち水分が蒸発してなくなります。
そんなときに追加で頼むのが料理酒です。
元々酒で煮込んだ鍋なので、水を追加するのも料理酒の水分なのです。
アルコールを飛ばさずに食べると、原住民の鶏酒みたいにスープで酔っ払います。
鍋を食べている途中で料理酒をとくとくと追加する。
この感じは日本の鍋では考えられないですね。
アルコールを入れてすぐは鴨や野菜のうまみが溶け込んだ焼酎を飲んでるみたいな感じですが、酒が苦手な方はとにかく煮込んで煮込んでアルコールを飛ばさないと具合が悪くなること請け合いです。
冬の定番料理なので、薑母鴨用の漢方セットは漢方薬を売るお店やスーパーなどで手に入れるコトができます。
私は帰国して、タイ産の鴨肉が安く手に入って、これを使って鍋をやってみましたよ。
ただし、料理酒をまるごと一本入れる勇気はないので、水で汁を作って煮込みました。
ちなみに今回の台湾旅ではこんなキャンディーも見つけました。
いわゆる生姜飴なのですが、黒砂糖を使っているところがなんとも健康的です。
この健康によさげな飴も売れ売れなんでしょうね。
華人の健康への気遣いはかなかなすごい。
【民權88巷薑母鴨の店内:追加のキャベツを大型ケースに入れて持ち込む客も。】
民權88巷薑母鴨
住所:金門県金城鎮西門里民權路88巷
電話:082-32222-1
URL:なし(フェイスブックはある。)
金門島金城鎮にある鴨鍋専門店。
夜に何か食べれるものがないかと街をさまよっていた時にみつけました。
特に金門島の名物というわけではありませんが、台湾の冬の定番なので、滞在中にどこかで食べてみるとよいです。