フタポジがタコを指すギリシャ語。ヒダトはマリネ、酢漬け、ビネガー煮といったところでしょうか。ギリシャの代表的な冷たい前菜の一つで、タコを酢とオリーブオイルで煮て作ったマリネ。
固くなりがちなタコが柔らかく仕上がっていて、きゅっと冷やしたワインと一緒に食べるのにとてもあう。
日本の酢蛸が苦手な人でも食べやすいつまみの一つです。
ギリシャ料理は割と素材の味を活かしたシンプルな調理法が多いそうです。
とはいえ、日本みたいに塩焼きで・・・とまでシンプルでもなく、オリーブオイルをふんだんに使います。
タコは茹でたり、オリーブオイルと香草で焼いたり、ワインや酢を加えて煮たり・・・。
調理時間は10分ほどで手早くできるものが多い。
また、生のタコだけでなく、干しだこも料理に活用されます。
たったの数時間しかギリシャに上陸しなかった私ですらタコを干しているのを見たくらい。
ギリシャの海辺のタベルナやウゼリでタコが干されているのはよく見る光景で、
適度に干され余分な水分が抜けたタコを炭火で炙ったり、
野菜と一緒に煮込んだりして食べたりも。
ところで、イカが世界中で食べられているのに対し、タコを食べる国はとても少ない。
日本、韓国をはじめとするアジア各国の他、太平洋の島々。
それ以外ではヨーロッパの地中海地域で食べられるくらい。
主として温帯から亜熱帯の暖かい気候に生息するので、その周辺国ではなじみが深い。
逆にヨーロッパ北部では「悪魔の魚」とまで言われて嫌われていますが、
これはユダヤ教の「鱗のない魚は食べちゃだめ」っていう食の禁忌から来ているそう。
海老、貝、蟹などは禁忌を破って食べたけど、イカ、タコはグロイので最後まで悪者のまま。
地中海沿岸国のギリシャやイタリアなどはキリスト教が浸透する前から食べていたので、
なんの抵抗もなく、今でも食卓をにぎわす。お陰で、旅行者の我々をも楽しませてくれる。
オリーブオイルと一緒に煮たマリネは日本の酢蛸に比べて酸っぱさがきつくなく食べやすいです。
たまにはタコの変わった食べ方としてやってみるのもいいかもしれません。
ゆでたタコを食べやすい大きさに切り、ニンニクとワインビネガー、オリーブオイルでさっと煮て、冷蔵庫で冷やします。分量はお好みで。酢とオイルは1:1くらいがバランスがよいようです。