胡椒蝦hujiaoxiaは、読んで字のごとく胡椒で味付けをした海老料理です。
台湾南部台南地方の名物で、ただの海老胡椒炒めとはひと味違います。
鼎(かなえ)と言われる鉄の特製釜を使い海老を香辛料と一緒に炒めて作ります。
胡椒蝦と名前がつくのに、香辛料は胡椒だけではなく、唐辛子やニンニク、生姜などをベースにし、お店によっては十種類近い香辛料を組み合わせることもあるとか。
海老のうまみが溶け出した甘味と香辛料のピリピリとした刺激がやみつきになる味で、エビ好きにはたまらない台湾料理の一つです。
台南名物の胡椒蝦。海老の産地の屏東や首都台北でも食べられます。
胡椒蝦は台南の名物料理と言われていますが、台北、桃園、台中など、台湾西海岸側には食べられるお店がたくさんあります。
中でも海老の養殖が盛んな屏東県では、海老の養殖場が真横でレストランを出しており、新鮮な海老を思う存分、安く食べられるので、食いしん坊の台湾人で賑わっています。
台北などで人気の名店も屏東から海老を直送して提供していたりもする。
養殖場直営のお店では、胡椒蝦だけでなく、とにかく海老、エビ、蝦、えび!なので、人数集めて大人数で行くのが絶対に楽しい。
鼎を使った本格的な胡椒蝦はこんな感じ。
写真に使われている鍋が鼎です。
元々古代中国から使われていた器物で三本足で支える形をしています。
博物館で見る物は長い足がついていますが、現在の料理用の鼎はつば付きの帽子をひっくり返したような形です。
鼎に新鮮な海老と香辛料を入れて、水分がなくなるまでかき混ぜながら炒めればできあがりです。
鍋肌の面積が大きいので、熱が伝わりやすく、うまみを逃がさず素早く調理が可能です。
鼎の中を覗くとこんな感じ。
海老や野菜(葱やニンニク)などから出た水分がなくなって、香辛料がカラカラになって鍋肌にこそげついています。
だけども焦げ付かないうちに仕上げる。これがポイントです。
海老にはしっかりと味がつく上に、うまみが殻の中にしっかり閉じ込められるので、冷めても美味しい。
(もちろん、熱々はもっと美味しい。)
鼎から海老をトングでとりだしてみるとこんな感じです。
えびの殻の上にまんべんなく香辛料がコーティングされています。
これは普通のフライパンでやるのは結構大変な気がします。
(ただ、鼎を洗うのもたいへんだよな~。こびりつきそう。)
鍋が深いので箸よりトングを使って取り出すというのもなんとも合理的。
こちらはお隣のテーブルの胡椒蝦を撮らせて頂いた写真です。
鼎は鉄製なのでそのまま海老を入れっぱなしにしていると海老に熱が入りすぎてカピカピになります。
だから食べきれない分はこうやって鍋肌に引っかけておいて加熱しすぎを防ぐ。なるほどです。
壺の中に何匹の海老がいたのかもはや憶えておりませんが、少人数だと他の料理を食べているうちにどんどん熱が入るのでご参考まで。
最後に鍋肌にこびりついたうまみが凝縮された香辛料をこそげ取るのもオススメ。
海老塩っていうか、海老胡椒っていうか、ご飯のお供にもなって、海老を最後までしっかり堪能できちゃうのだ。
豪快且つシンプルな料理ですが、エビ好きには是非食べて頂きたい台湾料理の一つです。
水月軒鮮蝦美食
住所:屏東縣林邊郷林邊村中林路282-21號
電話:+886 8 875 3299
営業時間:16:00~21:00 日、月休(※コロナの影響で時短中?)
台鉄屏東駅から徒歩15~20分くらいの場所にある海老料理専門レストラン。
海老料理は胡椒蝦、檸檬海老、海老鍋などなどあらゆる形で海老料理を食べられます。
まず最初に座席を決め、座席番号と料理名、注文数を書いた注文票を受付に持参して料金を支払う仕組み。
飲み物は「飲料区」に出向き、飲みたい飲み物を自分で買ってくるスタイルなので、
持ち込んでいる人もいたような気がする。(憶えてないけど。)
1品の量が多いので、食べきろうと思うと数品しか注文できないのが悔しいのですが、お客さんのほとんどが人数の2倍~3倍の量を頼んで、食べきれなかったものを持ち帰っていました。鍋なんてスープまでビニールに入れて持ち帰ります。(まあ、スープがないと鍋楽しめないですけども。)
今度は是非、エビ好きの家族を連れて行きたいお店の一つです。
海老の養殖が盛んな屏東では養殖場の真ん中にどーんとこのような海老料理レストランがあるので、高雄に泊まってる時などは是非足を伸ばして見て。(ただ昼営業してない店が多いので、注意が必要です。)