クンกุ้งがエビ、パオเผาが焼くという意味の動詞。素材そのものを丸ごと強火で焼く時に使われる。ちなみに同じ「焼く」を表すヤーンは切り身などをじっくり焼く時に、ピンは調理済みの団子などの表面を焼く時に使います。
つまりこれはエビを丸ごと炭火で焼いた料理です。
写真左はクン・カムクラムกุ้งก้ามกรามと呼ばれるオニテナガエビで、身がぎっしり詰まってぷりぷりで美味なる味が受けてタイ人がこよなく愛するエビの一つです。
テナガエビをプリップリに焼いた物。香ばしくてぷりぷり。
タイ人にとって、元々ポピュラーなのは淡水エビ。川や運河、貯水池に豊富に生息していたエビを食べていた。寒くなるとエビ採りに川に入ることが風物詩だったそうだ。
輸送のシステムが確立してからは海エビも食卓にあがるようになり、さらにそれに拍車をかけたのは我々日本人・・・。
タイ沿岸部で行われている養殖エビは我々の食卓を潤している。
タイ産で最もポピュラーなのはブラックタイガーですね。
しかし、クンパオの美味しさはオニ手長エビには敵わない。肉厚でぷりぷりのエビの身もさることながら、特に美味いのが味噌。とろ~りと甘くとろける濃厚なマンクン(頭の味噌)が絶品!!
日本人は蟹味噌をありがたがりますが、エビ味噌も負けてない。そして、蟹よりも断然安いところも嬉しいのです。
プーケットなど海沿いの町や島では出てくるエビは海のエビですが、町中では是非、カワエビを選んでくださいね~。
ちなみに、バンコクの中華街ヤワラーの海鮮屋台のクンパオは、一度エビを茹でてから炭火で焼いていました。
火を通してから炭火で焼くことで、水分が抜けずにぷりぷり感を保ち、香ばしさはしっかり残るという。なかなかやるねぇ。
パオ類は味つけせずに炭火で焼くので、必ずたれが添えられます。
シーフード用のたれ(ナムチム・タレー)は、ナムプラーにニンニク、唐辛子、パクチーの根、マナオ(タイの柑橘)の汁、砂糖などが入っています。
カワエビはそのままでも素材のうまみで充分満足できますが、ブラックタイガーを焼いたものはたれに付けた方が美味いかも。お好みでどうぞ。