炒chaoは炒める、山蘇shan suはシマオオタニワタリと呼ばれる山菜のこと。唐辛子と生姜と共に山菜を炒めたシンプルな料理で、うまみ付けに干したキビナゴを使い、味の仕上げはトウチです。
オオタニワタリはツルムラサキや空芯菜の様に茎にぬめりがありますが、えぐみは全くなく、さっと炒めるだけで食べられ、食感良い歯ごたえを残したまま調理出来ます。
癖が全くないので、サッパリとした味つけが合っていて美味しい。
台湾の山菜の炒め物。
シマオオタニワタリは、熱帯アジア、太平洋諸島に生えるシダ植物です。
成長すると昆布のようにびらびらとした形になるようですが、新芽の先はぐるぐると渦巻き状で、ゼンマイか何かのようです。
しかし、茎の両側にはすでにびらびらとした葉が成長しているため、見慣れないと山菜のような海草のような珍しい形にみえます。
もともと原住民族が食べていた食材のようですが、台北や高雄などの都心でも屋台や海鮮料理屋などで目にしました。
火を通しても鮮やかな緑色が変色することがなく、癖もなく、味もいい。
炒めるだけでなく、煮ても、蒸しても、揚げてもうまいそうな。
ちなみに日本では山菜と呼んでいるものは中国語では野菜といいます。
「野菜」という看板やメニューを見かけたら、山菜が食べられると憶えておくとよいですよ。
肉料理や魚料理の付け合わせとして、たまにはこんな物もどうぞ。
ちなみに私、オオタニワタリは沖縄で食べたことがございます。
石垣島の地元民が集う居酒屋です。
テレビでオオタニワタリの天ぷらが取り上げられたので、探した方も結構多そうですね。
私はピパーズを天ぷら、オオタニワタリはごま和えで食べてました。
沖縄にいくと、アダンなど熱帯地方でみかける植物がいっぱいあって、ああ、本州とは気候が違うんだなぁとしみじみします。
八重山までいくと台湾の方が近いですもんね。
台湾は日本統治時代がありましたので、当時の食文化を研究していた学者さんの資料にもオオタニワタリは出てきますよ。