![沙茶麺 shā chá miàn [ピーナッツ風味汁麺]](https://w-foods.com/wp-content/uploads/2012/03/P1210212wp-800x300.jpg)
沙茶麺 shā chá miàn [ピーナッツ風味汁麺]
沙茶shachaはサテソース=ピーナッツソースのこと。ピーナッツソースを溶かしたスープに細長い小麦麺を入れて食べる料理で、中国福建省アモイの名物料理です。
普通語では沙茶はサチャという音ですが、福建南部の言葉(閩南語)ではサテ。マレー民族の郷土料理のサテのソースが福建省にもたらされてできた「サテ麺」です。
干しエビなどでとったダシにピーナッツソースを溶いてあり、コクと甘さをプラス。なんとも癖になるような不思議な麺料理です。
このサテ麺はアモイに行くとそこかしこで食べられます。
軽食を扱っている食堂のメニューの一つとしてだけでなく、
専門食堂も個人経営からチェーン化したものまで様々。
お店によって味つけも異なり、ピーナッツが多い店は甘め。
地元民はそれぞれお気に入りの味を出す店に行くのでしょうね。
麺は半人前くらいなので小腹がすいた時にもぴったりです。
惜しむらくは麺が伸びきっていてコシが全くないことです。
日本のラーメンの麺を入れて食べたら絶対にうまいと思う。
具は揚げ豆腐、豚もつ、肉、油条に魚のつみれに海老など。
面白いのはどのお店でも魚のつみれの中に肉が入っていること。
なんだかアタリがでたみたいで嬉しくなります。
ちなみにこのサテソースが広がったのは華僑の影響です。
西洋列強が世界中に進出していたかの時代、黒人奴隷の代わりに、
労働者不足を補うために使われたのが中国人でした。
その時代は中国全土に普通語が普及していなかったので、
必然的に言葉の通じる者同士、同じ出身地の人が同じ場所に行ったそうです。
福建出身者の多くがインドネシア・マレーシアに渡ったことから、
マレー系の食文化であるサテが彼らから中国に伝わったようです。
沙茶麺はそのサテソースをアレンジして食文化に取り入れた例ですが、
サテそのものもアモイの人に受け入れられ、サテを売るお店も多い。
アモイでは拌麺(汁のない和え麺)もピーナッツソース入り。
この甘くてこってりした味がうけたんでしょうねぇ。
ちなみに私が最も美味しいと思った沙茶麺はサテソースはごく控えめで
スープのうまみとラー油とのバランスが最もよかった月華沙茶麺でした。
廈門に行ったらお気に入りの味を探してみてください。
(右下はスーパーで手に入れたごまペーストとピーナッツペースト。
ラー油やごま油と溶いてスープに入れると沙茶面風の麺が手軽に作れます。)
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