中国

沙茶麺 shā chá miàn [ピーナッツ風味汁麺]

沙茶麺 shā chá miàn [ピーナッツ風味汁麺]
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

沙茶shachaはサテソース=ピーナッツソースのこと。ピーナッツソースを溶かしたスープに細長い小麦麺を入れて食べる料理で、中国福建省アモイの名物料理です。
普通語では沙茶はサチャという音ですが、福建南部の言葉(閩南語)ではサテ。マレー民族の郷土料理のサテのソースが福建省にもたらされてできた「サテ麺」です。
干しエビなどでとったダシにピーナッツソースを溶いてあり、コクと甘さをプラス。なんとも癖になるような不思議な麺料理です。

沙茶面 ピーナッツ風味汁麺沙茶面 ピーナッツ風味汁麺

ピーナッツ入りの濃厚なスープで食べる中華麺です。

月華沙茶麺 魚のつみれ入り月華沙茶麺 魚のつみれ入り

この麺はアモイに行くとそこかしこで食べられます。
軽食を扱っている食堂のメニューの一つとしてだけでなく、専門食堂も個人経営からチェーン化したものまで様々。
 
お店によって味つけも異なり、ピーナッツが多い店は甘め。地元民はそれぞれお気に入りの味を出す店に行くのでしょう。麺は半人前くらいなので小腹がすいた時にもぴったりです。

沙茶面 ピーナッツ風味汁麺を箸ですくったところ沙茶面 ピーナッツ風味汁麺を箸ですくったところ

惜しむらくは麺が伸びきっていてコシが全くないこと。
日本のラーメンの麺を入れて食べたら絶対にうまいと思う。
 
具は揚げ豆腐、豚もつ、肉、油条に魚のつみれに海老など。
魚のつみれはどのお店でも必ずつみれの中に肉が入っていて面白いです。アタリがでたみたいで嬉しくなります。

黄則和花生湯の沙茶麺 10元黄則和花生湯の沙茶麺 10元

ちなみにこのサテソースが広がったのは華僑の影響です。
西洋列強が世界中に進出していたかの時代、黒人奴隷の代わりに、 労働者不足を補うために使われたのが中国人でした。
その時代は中国全土に普通語が普及していなかったので、必然的に言葉の通じる者同士、同じ出身地の人が同じ場所に行ったそうです。
 
福建出身者の多くがインドネシア・マレーシアに渡ったことから、マレー系の食文化であるサテが彼らから中国に伝わったようです。
沙茶麺はそのサテソースをアレンジして食文化に取り入れた例ですが、サテそのものもアモイの人に受け入れられ、サテを売るお店も多い。

ピーナッツペーストとごまペーストピーナッツペーストとごまペースト

アモイでは拌麺(汁のない和え麺)もピーナッツソース入り。この甘くてこってりした味がうけたんでしょうねぇ。
 
ちなみに私が最も美味しいと思った沙茶麺はサテソースはごく控えめでスープのうまみとラー油とのバランスが最もよかった月華沙茶麺でした。
廈門に行ったらお気に入りの味を探してみてください。

月華沙茶面

月華沙茶麺の外観月華沙茶麺の外観

鎮邦路78号
 
鎮邦路はアモイの繁華街である中山路と大同路を結んでいる狭い道路。大中路から鎮邦路に入ったカーブのところにある。
沙茶麺は何軒かチャレンジしたが、最も私の好みだったのがここです。
月華というお名前のおばあちゃんが起こしたお店の様ですが、その娘さん?らしき人が切り盛りしておりました。
店によってスープの味もトッピングもかなり違うのでお好みの味に当たればいいですね。