干豆腐は中国全土で広く使われる食材のひとつ。豆腐を干した物ではなく、固めに作った豆腐をさらにローラーを通して水分を抜いて圧縮したもので、薄いシート状をしています。別名で豆腐皮という場合もあります。
この料理は干し豆腐をシンプルに葱油とほんの少しの野菜の千切りで和えた前菜で、日本人の口にも良く合い、こゆい味つけが多い主菜の箸休めにぴったりです。
豆腐をぎゅーーっと堅くした物。食べ応えあり。
干し豆腐を絞る機械はちょうど生パスタマシンと似ています。
ぎゅーっと圧力をかけられて出てきた豆腐には、ギザギザとした機械のでこぼこ模様が刻まれており、「これが豆腐?」と首をかしげてしまうほど。不思議な形状です。
スーパーではパイシートの様な形で、折りたたまれた干し豆腐がビニール袋にいれられてうられています。
食べやすい大きさ(多くの場合は千切り)に切った後、軽く湯がき、あとはお好みの味つけにしあげるのです。
ぐっと圧縮されている豆腐なので炒めたり揚げたりしても形が崩れず、和え物のほか、煮物、揚げ物、汁物などどんな料理にも使え、おまけにベジタリアンの主食にもなってしまう万能食材だそうです。
中国の東北地方の串焼きやさんに行くと、必ず葱を干し豆腐で巻いた串焼きを売っていました。焼き物の具にも変身するとはスゴイヤツ。
ちなみに葱油干豆腐の場合、干し豆腐を千切りにして湯通しした後、熱した油に八角を入れて香りを出し、唐辛子、塩、味の素などで調味。
最後に湯通しした干し豆腐と葱のみじん切りをさっと和えれば完成!
油で炒めるのではなく、熱して調味した油で和える感じです。
個人的には味の素入れなくてもいいんでないかなぁ~って思いますが、私が中国で食べたどの店でも味の素ははいっておりました。
化学調味料が苦手な方は、ちょっとだしを足すといいかもしれません。
大連のガイドさんはこの干豆腐(豆腐皮)を「湯葉」と訳しましたが、彼女が持っている電子中日辞典では豆腐皮が湯葉ってでていました。
でも干し豆腐は、湯葉とは作り方が似ても似つきません。
干豆腐を豆腐皮と呼ぶ人もいるし、豆乳を煮立ててできた皮をすくった湯葉そのものを豆腐皮という場合とどっちもあるみたいです。
そして、さらにその湯葉を乾燥させてぎゅっと棒状に絞った物が腐竹。
水分を絞ってあるので、食べ応えがあり、炒め物にも使えます。
中国から日本に伝わったお豆腐ですけども、違うモンですねぇ。
ちなみに中国語で日本豆腐は卵豆腐のことです。
こちらは日本から中国に伝わったようで。