拌banはかき混ぜる、面mianは麺のこと。茹でた麺をタレと和えて混ぜて食べる麺のことで、地方によってそのタレの味が異なります。写真は福建省の福建拌面。ごまペースト、ピーナッツペーストをベースに唐辛子、ニンニクでコクと辛みのアクセントを付けた濃厚なタレで和えて食べるもので、水分が少なくどろっとしたタレに幅広の麺が絡みまくります。
ピーナッツやごまの甘さや脂っこさの方がきつく、一口目は「甘い」という印象なのですが、甘すぎない絶妙のバランス加減でなんとなく後を引く不思議な一品です。
福建風の和え麺。濃厚でうまいよ。
作り方は簡単で予め作ったタレにゆで麺を載せるだけ。写真は幅広麺ですが、うどんのような細麺を使うお店もあります。
幅広麺を使うと、見た目はタリアッテレのようです。(実際に味わいもタリアッテレに近くもちもちしています。)
アモイには沙茶麺というピーナッツソースを混ぜた汁麺もあり、麺類にピーナッツソースを使うのはポピュラーです。
味はピーナッツソースが多めのお店のスープは甘く仕上がり、現地の人はそれぞれ自分好みのお店に通うようです。
ちなみにこのピーナッツソースの由来は華僑だと思われます。
西洋列強が世界中に進出していたかの時代、黒人奴隷が使えなくなり
労働者不足を補うために使われたのが中国人です。
その時代は今のように全国的に普通語が普及していなかったので、
必然的に同じ故郷の人たちが固まって同じ場所に行っていたそうです。
福建出身の華僑の多くがインドネシア(マレーシアもいた)に渡ったことから、
インドネシアのマレー系住民の食文化であるサテソースが彼らに伝わったようです。
サテソースはそのまま食べるには激アマですから、自分たち好みに変化したのでしょう。
また、ほとんどの中国人が肉体労働に従事するために連れて行かれたので、
ピーナッツソースはエネルギー源として重宝したのだとも想像します。
中国のスーパーでは調味料として使いやすい甘さ控えめの
ごまやピーナッツのペーストが売られているので買って帰るのもいいですよ。
ごまペースト、ピーナツペーストをスープで溶いてラー油を入れて好みの味加減に。
とあっという間に福建風の拌面が作れますよ。