沙桂花というのはキンモクセイの粒という意味の中国語。面は麺を簡体字で表すとこうなります。
中国ではキンモクセイはお茶やお酒、ジャムなどにして香り付けに使いますが、さすがにこの炒麺に香りはしません。恐らく、この見た目がキンモクセイが華を付けている時のようにふわふわと綺麗な様をこう読んでいるんだと思われます。
すこし平べったい細麺がしこしこと小気味よく、癖になる歯ごたえで、野菜の甘味と小エビのうまみが絶妙に絡まる絶品の味。焼きそばだけ食べに通いたくなる美味しさです。
麺のうまさが際立つさっぱり味の炒め麺。
桂花はお茶やお酒の他、砂糖と蜂蜜につけてジャムを作り、それをお菓子に入れたりすることもあります。
麺にキンモクセイ?といろいろ探してみましたがやっぱり今のところ本物のキンモクセイを入れているなんていう料理は見つかりません。
とある中華料理やではそのシェフのオリジナル料理と称して、伊府麺(イーフーメン)に沢山の具を入れて炒め煮にした後、葱などをふぁさっと盛りつけて華やかに仕上げていました。
ちなみに伊府麺というのはインスタント麺の原型みたいなもので、清朝の文人官僚:伊秉綬の家(府)で保存用に揚げてあった麺をスープに入れて煮て出したことから広まっていった調理麺で、言われてみると、この沙桂花面の麺のしこしこも揚げ麺なのかもしれない。
伊府麺は揚げた状態で売られているのですが、一度茹でて油を抜いてから使うのです。
そして、油が抜けたことで麺の表面がでこぼこになり、味が絡みやすいというわけ。
なかなか手間のかかる料理です。
しかし、生麺を茹でるのに比べれば、揚げ麺の方が早くゆであがるので、
揚げ麺を業者から仕入れる料理屋では重宝する食材でしょう。
やはり、中国語を勉強して店主から由来を聞かねばなるまいか・・・。
李貴(亜蟹)席館 Lee Kui(Ah Hoi)Restaurant
シンガポールの中華街にある潮州料理のレストラン。
何を食べてもはずれがいっさいなく、野菜炒め一つ取ってもむちゃくちゃ美味い。
ほとんどのお客さんのお目当てが茹でスリランカ蟹だったため、店名も変えたそう。
全体にサッパリした味つけなので日本人ごのみです。
ちなみに、この店、少人数で行くと、頼める物が限られてしまいます。
「ノー。その料理はもっと大人数じゃないと食べきれないよ」とアドバイスをくれる。
いつか大人数で行って、魚の頭を食べたいと思ってますが、なかなかねぇ。