萬巒wan luanは台湾の屏東にある地名、 猪脚zhu jiaoは豚足のこと。屏東県の萬巒には客家民族の住む集落があり、客家風の味つけの豚足の醤油煮込みが名物です。
豚脚の膝から下の部分を醤油、砂糖、八角などが入った汁でコトコトと煮込んだもので、ニンニクと生姜がたっぷり入った砂糖醤油タレにつけて食べます。
皮付きの脚は、ぷみっとした弾力があり、ゼラチン質がたっぷり。甘辛い醤油味なのでニンニクと生姜の辛味がツンと印象的。
八角の香りがキツく日本人は好みが分かれると思います。
ニンニクががっつり効いた名物豚足煮込み!
客家民族は元々中国大陸北方に居住していた民族です。戦乱などにより北方から南下しても現地の人に煙たがられてしまい、山林などの僻地でつましい暮らしを強いられた民族です。
限りある食材を大事に大事に食べて生き延びて来たため、どんな物でも粗末にしません。
特に肉や魚はお祝いの時につぶして食べる大事な食材なので、あらゆる部位を捨てずに、美味しく食べる調理法ができたのでしょう。
客家料理の多くが濃い味つけなのは食材を長期保存するため。
「燜」という蓋をかぶせてグツグツ煮る料理が特徴的で、豚バラ肉と漬物の煮込み「梅菜扣肉」や角煮、そして猪脚?!
香辛料(八角、ニンニク、生姜)の香りの強い甘”塩辛い”味つけは、常に土地を追われ続けた流浪の民のノスタルジーが詰まってます。
萬巒の豚足煮込みは海鴻飯店の創業者「林海鴻」さんが60年前に秘伝のタレの豚足煮込みを考案したことから始まったそう。
日本で老舗のウナギ屋がタレを継ぎ足し使い続けるように、この煮込みもタレを継ぎ足し、継ぎ足し使い続けているそうだ。
このお店の評判が立ったことから、近隣には類似点が乱立し、現在では町の名称まで「萬巒猪脚街」と名前がついてしまうほど。
写真の猪脚は全て老舗の「海鴻飯店」のもの。
そのまま食べても充分味がしみ込んでいるのですが、これにお店自慢のタレがたっぷり添えられて出てきます。
このタレは醤油、砂糖、ニンニク、生姜を単純に混ぜたものではなく、恐らく豚足を煮込んだタレに味を足して作っていると思う。
どろりとしてかなり味が濃いので、レンゲ一杯のタレをご飯にかければ、ご飯が一膳食べれます。
ご飯に豚足を一切れ載せ、その上にタレをかけて食べたけど、これだけでご飯一膳食べても良いくらいです。
(そして隣のテーブルを見たら子供が同じことをしていた。)
ちなみに台湾では豚足は「厄落とし」に食べる縁起物の一つだそう。
中国では豚といえば、富を呼び込む縁起の良い動物です。
そして、麺線と呼ばれる台湾の素麺は、日本の素麺くらいの太さの長めの麺で、「細く長く生きられる=長生きする」という縁起物。
その素麺に豚足煮込みを入れて猪脚麺線として食べたりします。
海鴻飯店に行ったのは昼ご飯だったのですけども、麺と豚足という日本人にしては異色の組合わせで食べている人が多く、「日本で言えばラーメンと餃子みたいな昼食の定番なんだろか?」と、勝手に思っていたのですが、誰かのお祝いだったのかも。
台湾では毎年「猪脚節」=「豚足祭り」=「PORK KNUCKLE FESTIVAL」が開催されるほど、台湾の食文化に深く根付いている料理です。
海鴻飯店には「豚足節で受賞!」とでかでかと壁に張ってありましたけど、
2011年は「世界豚足節」と題して台湾だけでなく外国からも出品されたらしい。
日本で豚足といえば沖縄の足てびちかな。
盛り上がりはどうだったんでしょうかね。
海鴻飯店
屏東県萬巒郷民和路16号
国鉄潮州駅からバスで10分、屏東駅からは30分ほど。
町一帯が萬巒猪脚街と名付けられるほど有名な町で、豚足煮込みを出すお店の他、客家の餅菓子や薬草酒などを売るお店が密集している。
海鴻飯店は付近に3店舗あり、大通り沿いの小さい工場で一人の兄さんが20個の大鍋で常に大量の豚足を煮込み続けてます。アレが売れちゃうんだからスゴイ。
萬巒への行き方を含めたレポートは他サイトにまとめました。
≫台湾の豚足で有名な萬巒の猪脚街。念願かなってようやく訪問!