ソン・クルアンというのはみじん切り、角切りにした具を指します。ソンทรงが形、クルアンが具เครื่องという意味です。そして、タクラーตะกร้าがバスケット。プアックเผือกがタロイモ。コロコロとした具がタロイモで作った籠に入れられて見た目にもかわいい。
ソン・クルアンの内容は鶏肉、エビ、カシューナッツ、ぎんなん、干し椎茸、タマネギ、クワイを揚げた物。味わい、食感が全く異なる様々な具が口の中で踊る、見た目も味にも満足できる楽しい料理です。
タロイモで作ったバスケットがかわいい。
料理法は至ってシンプル。
タマネギ、クワイなどの大きめ野菜や鶏肉は角切りにし、全ての具を一度油で揚げます。
ナムプラーと唐辛子でさっぱりシンプルなたれをからめ、タロイモで作ったバスケットに盛りつけてできあがり。
具は鶏肉とカシューナッツの炒め物にかなり近く、芋でバスケットを作ることも中華の宴会料理によく出てきます。
華僑の多いバンコクでよく見られる中華の技法を使った料理です。
この料理の面白いところは各食材の食感や香りの違いのバランス。
ガリガリっと音を立てる歯ごたえのよいタロの器。
ほろ苦い銀杏がくにっとつぶれ、クワイがショリショリと音を立てる。
鶏肉は肉汁がじゅわーーっとしたたり、足りない脂とコクを補う役目。
カシューナッツはカリカリ感と甘み、タマネギの野菜の甘み、
そして、干し椎茸がうまみをプラス。
見た目、味、食感のバランスがとてもよく、食事の前菜にぴったりです。
日本ではタロイモが余り手に入らないのでジャガイモで代用します。
ちょっとしたパーティーにあると華やかです。
宴会料理としてバスケットを作るには大きなざるや揚げ鍋がいりますが、
今回の写真の様な直径10センチほどのサイズの籠を作る場合、
穴あきのお玉か天かすをすくうざるを2つ用意して、ジャガイモの千切りを挟み
カリカリになるまで揚げるとできあがります。ちょっと根気いりますけどね。
タクラー・マンファラン・ソン・クルアンの作り方 [鶏と野菜のジャガイモ籠のせ]
鶏肉 100g
ぎんなん 5~6個
タマネギ 1/4個
干し椎茸 2枚
クワイ 2個
カシューナッツ 50g
ジャガイモ(マンファラン) 大3個 [タロイモの代用]
片栗粉 大さじ1
ナムプラー 大さじ1
酢 小さじ2
砂糖 大さじ1
唐辛子 2本
パクチー お好みで少々
揚げ油
- ジャガイモは千切りにし、しばらく水にさらした後よく水気を切る。
- 鶏肉は1.5センチの角切りにし、塩胡椒で下味を付けておく。
- クワイ、タマネギは1.5センチの角切り、水で戻した椎茸は半分に切る。
- 1に片栗粉をよくまぶし、玉揚やざるなどに挟み込んで160度の油できつね色になるまで揚げる。
- 鶏肉は片栗粉をまぶして、タマネギ、クワイ、ぎんなん、カシューナッツは素揚げする。
- フライパンに油を少しいれ唐辛子を炒めた後、5と干し椎茸、調味料を入れさっと炒め和える。
- 4で作ったジャガイモバスケットに6とパクチーを盛りつけたらできあがり。
※ バスケットの中に盛りつける野菜の種類は特にこだわらないでよい。
※ ぎんなんは揚げすぎるとすぐカチカチに堅くなります。注意です。
※ 生野菜の角切りサラダを盛りつけてもよいですョ。