ルーは、海抜5,000メートルを超えるアンデス山脈が南北に走り、また山脈のすぐ東には狭い砂漠地帯の向こうに太平洋が広がる。西はアマゾンのジャングル地帯。東西南北で環境が大きく異なり、様々な気候風土を有します。
元々は日本人と同じモンゴロイドだけが住んでいましたが、16世紀のスペインに植民地化されたことにより、南米原産の作物が世界中に伝わり、ヨーロッパやアジアの食卓を変え、またスペインを始めとした外国の食文化を取り入れながら自国の食文化も変化していきました。
その後のヨーロッパ、アジア(日本を含む)からの移民から伝わった多種多様な食文化の融合で、
おいしいところを合体させたのが現在のペルー料理。
つまりペルー料理は、旨いとこいいとこどり料理です。明治以降の日本と似てますね。
ペルー料理の主な特徴
- ■地域により食事を含めた文化が全く異なる。
- コスタ(海岸地域)、シエラ(山岳地域)、モンターニャ(森林地域)に分かれ、
- 気候の違いで栽培可能な作物が異なることから、主食もそれぞれ異なる。
- アンデス流域の主食は芋。海岸は米。アマゾンはユカ。
- 気候の違いで栽培可能な作物が異なることから、主食もそれぞれ異なる。
- ■ジャガイモ、トマト、唐辛子等の原産地で種類も豊富。
- 芋は主食とする地域以外でも、料理の食材として欠かせない。
- アンデスの食材は世界の食卓に大変化をもたらした。
- ■様々な気候を利用して栽培した豊かな食材の宝庫
- 魚介の種類・量も豊富。水産大国。海草も食べる数少ない民族。
- アルパカ、リャマに加え、牛、鶏、豚も食肉として利用している。
- 世界中のほとんどの作物を栽培している。アボカドは本場メキシコより種類が多い。
- アルパカ、リャマに加え、牛、鶏、豚も食肉として利用している。
- ■ヨーロッパの影響を強く受けている。
- スペイン人が自らの食卓を満足させるために小麦、葡萄(ワイン)、家畜等を持ち込む。
- 地元の食材をヨーロッパ風にアレンジした料理が現在のペルー料理の原型に。
- 地元の食材をヨーロッパ風にアレンジした料理が現在のペルー料理の原型に。
- ■アジアからの移民の影響を受けている。
- 本場中国よりも味付けがさっぱりした中華がチファとして定着。
- マンダリーナは日本移民が持ち込んだみかんが原型。
- ■アヒ(唐辛子)が不可欠である。
- アヒアマリージョというイエローホットペッパーペーストが家庭に常備されている。
- 唐辛子をすりつぶし、油、塩、生チーズ、ハーブで味を調えたソースが多用される。
- ロコトと呼ばれる肉厚でピーマンのような大きさの唐辛子はボリビア原産。
- 唐辛子をすりつぶし、油、塩、生チーズ、ハーブで味を調えたソースが多用される。
- ■辛味、酸味、香りのバランスが重要。
- ニンニクをベースに唐辛子、ライム、ハーブをバランス良く使う。
- ■スープから始まるコーススタイルで食べる。
- 安食堂でもスープ、メインの2品は必ず提供される。
地域による特徴
太平洋に面した海岸の平野部は狭く、ほとんどが砂漠。そして、アンデス山脈を超えると熱帯ジャングルです。
このような地形や気候、環境の違いから、
地方によって食材や調理法、味が異なります。
また、海岸地域は外界からの影響を受け味が変化しましたが、アンデス高地は近年まで伝統的な食文化を守ってきました。
ペルーの食文化は地域ごとに次のような特徴があります。
地域によるざっくりとした違い
- ■コスタ(海岸地域)
- 古来から海の魚をよく食べる。世界有数の漁獲高。魚介の種類・量が豊富。
- キヌアなどを除き、世界中のほとんどの作物を栽培できる。
- 米が主食。その75%を海岸地域で栽培している。
- 正餐は昼食で、たっぷりと時間を取ってゆっくり食事を楽しむ。
- キヌアなどを除き、世界中のほとんどの作物を栽培できる。
- ■シエラ(山岳地域)
- 標高と気候に応じてトウモロコシ、ジャガイモ、キヌアなど様々な作物が段々畑で栽培されている。
- 4000mを超えると作物が栽培出来なくなり、牧畜が盛ん。アルパカ、リャマ、牛、豚、羊、鶏など。
- 近年はチチカカ湖でマスも養殖され、レストランでしばしば提供される。
- トウモロコシは祭り、儀礼用のお酒の原料として使われる。
- 主に芋が主食。ジャガイモは食用だけで300種を超える。
- 4000mを超えると作物が栽培出来なくなり、牧畜が盛ん。アルパカ、リャマ、牛、豚、羊、鶏など。
- ■モンターニャ(森林地域)
- 森で鳥、猿などを狩猟し食材にしたり、川で小魚を捕る。
- タロイモ、ヤムイモ、サツマイモ、落花生、インゲン、バナナなどが栽培されている。
- ユカ(キャッサバ)が主食。酒の原料にもなる。
- タロイモ、ヤムイモ、サツマイモ、落花生、インゲン、バナナなどが栽培されている。
ペルー料理をもっと知る
日本のほぼ真裏にあたる南米・ペルー料理は、日本で話題に上ることも少ない。
その美味しさから欧米では有名らしいが、いろんな意味で距離が近いのでしょう。
料理に限らず、南米関係の出版物は少ないので紹介できる物が限られますが、
徐々に情報を集めて公開したいと思います。ペルー料理って美味しいのになぁ。
ペルー料理を知るwebサイト
ペルー料理を知る本
世界の料理いただきまーす。(ペルー・アルゼンチン)
ペルーとアルゼンチンの代表的な料理を紹介した児童書。
紹介されている料理は、おたのしみごはん/ラムとじゃがいものスープ/ペルー風焼き肉/重ねポテトサラダ/りんごのジュースと、主食、スープ、主菜、前菜、デザートとコース料理そのもので、ペルーの代表的な食卓を再現しているラインナップといえる。
このシリーズは世界の食卓を子供に学ばせるのに最適。
ペルーのごはん
ペルーの多種多彩な食文化を順を追ってわかりやすく解説した児童書。
朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯の食べ方から一週間のメニュー。
そして各地域の食材や味付けの仕方等々。
ペルーの食文化を紹介した本は少ないので、大人も一緒に読んで楽しめます。
ただ、この手の大人向けの本が欲しいと思うのは私だけでしょうか~。
アンデス 食の旅―高度差5000mの恵みを味わう (平凡社新書)
ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ、トマト、インゲン等々、我々の食卓に欠かせない中南米起源の野菜や穀物のルーツを追った旅行記。
海抜5000mを超えるアンデス高地からバージエと呼ばれる谷間地方、そして低地のアマゾン流域まで、
食材と料理求めて歩き、紹介していて、ペルーを読みながら歩くと楽しいかも。
食事に至るまでの描写に臨場感があり、レシピや写真がなくても「美味しそう~」と感じる不思議な本。
世界の食文化(13) 中南米
中南米をひとくくりにしてしまうところが残念ですが、それでも民族や歴史的背景
(ほぼスペインが支配した国なんで)が似通っていることから、
総合的に理解が進む。中南米の食文化を理解するのにまず読みたい一冊。
ただし、多くの学者が担当を区分けして書いているので、同じようなことが二重に書かれていたり、
内容の濃さが章によって違ったりするのががっくりするところ。
ペルー食材を買う
ペルー料理ラテンキッチンクスコ
大阪のペルー料理屋さんの通信販売。
食材や雑貨の他、レストランシェフが作った料理の宅配があるのが特徴。
大阪に行かなくても家庭で手軽に本格的なペルーの味が楽しめる。
紫唐辛子のジュースなど、ペルーの露店で立ち飲みする現地の味やインカコーラもペルー旅行の旅情をかき立てます。
キョウダイ マーケット
ペルー食材だけでなく、南米食材やキッチンウェアまで幅広く扱うお店。特にペルー、ブラジルの食材が充実している。
クスケーニャビールの取り扱いもあるので、ホームパーティー用に調味料と飲み物をまとめ買いするといいかも。
ラティエンディータ ~世界のお酒と食品をネットでお取り寄せ~
メキシコ食材を中心に南米、アジアなど世界中の食材、調味料を扱う。
レシピも一緒に掲載されている食材ページもあるので、使い方がわからない人にも重宝します。
ヨーロッパのパスタソースなども取り扱っているので、まとめ買いのついでに調味料を買えるのが嬉しい。
賞味期限間近の商品はアウトレットに出るのでまずチェックを!
トルティーヤプレスを買って手作りトルティーヤでタコスパーティーも楽しそうだ。
※このページは状況に応じて随時書き換えます。