インドネシア

クラン・ブンブ・トマッ kerang bumbu tomat [シャコ貝のトマト炒め煮]

シャコ貝のトマト炒め インドネシア風
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クランkerangが貝、ブンブbumbuはスパイス、調味料、トマッtomatはトマトのことです。
ニンニク、唐辛子などを石臼でつぶしたものにトマトを加えて作った合わせ調味料で貝を炒め煮にした料理で、正確に言えばトゥミスtumis(炒め煮)という単語を付け加えるべきかも。
ぷりっとした貝の食感にトマトの酸味や旨味、スパイスの刺激のバランスがちょうど良く、割とどこの国の人にでも口に合うと思われる料理です。
しかし、海岸で取れたての貝を使ってたりするので、「刺身で食べられるのになぁ」と思うのは日本人の性であろうか。

クラン・ラクササ・ブンブ・トマッ シャコ貝のトマト煮クラン・ラクササ・ブンブ・トマッ シャコ貝のトマト煮

シャコ貝を細切れにしてトマト煮にしちゃう

赤貝のような貝のトマト煮 インドネシア赤貝のような貝のトマト煮 インドネシア

冒頭はシャコ貝と思われる貝を細切れにして煮た物。その他、赤貝に似た貝やイカなど、ぷりぷりっとした食感の魚介でしばしばこの味付けで出してくれました。
唐辛子はあまり利かせてありませんでしたが、食べたのがマルクだったからかも。マルク地方はスパイスなどを余りきかせず、シンプルに素材の味を生かす調理法が多いのです。

クラン・ラクササ シャコ貝 ロンボク島クラン・ラクササ シャコ貝 ロンボク島

シャコ貝はクラン・ラクササと言います。
ラクササが「巨大な」という意味で、英語名のジャイアントクラムと呼び名の法則は同じ。
このシャコ貝、インドネシアの海を泳いでいればやたらと見つけられますが、ワシントン条約ではシャコ貝科の全種が付属書IIに分類されており、取引を規制しないと存続が危ぶまれるとされているようです。
貝殻も大きくて利用価値があるので乱獲されてしまったのかも。

貝殻の模様を見るとグロテスクで食べるのに勇気がいりますが、
でかい図体の割に味の方も普通の貝よりしっかりしていて美味しいとか。

トゥミス・チュミ・ブンブ・トマッ ひいかのトマト煮トゥミス・チュミ・ブンブ・トマッ ひいかのトマト煮も似たような味

熱帯、亜熱帯地方にしかいない貝なので、日本では沖縄で食べられます。
絶滅危惧種に指定されたら食べにくくなるので、機会があったら是非食べてみてください。

ちなみにこの料理を食べた宿ではこの稚貝の貝殻がろうそく立てになっていました。
生きているときはグロい模様だったりするのですが、死ぬと貝殻が真っ白になります。
貝殻はよくいろんなところで見かけますよね。
まさか生きてるときがあんなにグロい模様とは想像できないなぁ。