麻糍maciは糯米を使ったお餅の加工品の一つで、福建、浙江、江西などの名物。写真は丸く団子状に成形したお餅に黒ごまをまぶしたお団子のように見えますが、実はごま、ピーナッツ、砂糖を混ぜたものをお餅でクルンだ上に黒ごまをまぶしたごま団子です。
おもちのモッチリした弾力にピーナッツやごまの油分と香ばしい香りに食感、さらに砂糖が口の中でザリザリと音を立てながら溶けていく。また、水分が多くて柔らかいので作ったその場で食べるのがポイントです。
胡麻餡をまぶすタイプの胡麻団子です。
福建省では麻糍は伝統的に食べられているおやつでもあり、正月や清明節(お墓参りの日)などの祭祀にも食べられています。
また、福建省はかつて華僑として東南アジアに渡った人が多いため、シンガポールやマレーシアなどでも麻糍が広まっています。
ちなみに日本では糯米を蒸してからついたものを「もち」と呼びますが、麻糍は雲南語の「ムーチ」と呼ぶことからそうなったそうです。
福建省南部で話されている閩南語ではムアチイとやはり似た発音で、閩南と縁の深い沖縄でもムーチと呼ばれるそうな。
あんこが入ったお餅に比べてコクがあり、甘いんだけど甘すぎず、
ちょっと小腹がすいた時のおやつにオススメです。
叶氏麻糍
廈門のコロンス島にある有名な屋台。100年の歴史を誇る老舗で、開業は民国24年(1935年)です。
創業者は福建省の安溪の出身でコロンス島で店を構えたのは1938年。
改革解放後に手を広げ、順調に事業を拡大したようですので、屋台のお店は観光客向けの一部の事業かな?とも思いました。
餅は手作業で作るためになかなか大量販売はできないようですが、訪れた日は毎日ひっきりなしに来るお客を4人で捌いていました。
廈門の名産品として廈門市も推奨しているお店です。