タントゥクthantukとはチベットの麺料理の一つ。小麦粉に水、塩、油を加えて練って麺生地を作ります。生地を細長く麺状にのばした後、手でつぶして平べったくしたものです。
肉、野菜などを煮込んでスープを作り、その中に麺をちぎりながら入れていくため、麺生地の小麦粉がとろけ、とろみがかったスープ麺に仕上がる。
基本的に味付けはシンプルで塩のみなので、ネパールのスパイス料理に飽きた時には重宝する料理です。
チベットのうどん。ほうとうに近い太麺です。
この料理はしばしばチベット風きしめんと呼ばれますが、食感としてはすいとんとかほうとうが近いと思います。
手で生地を適当に伸ばしてちぎるので大きさも厚みもまちまち。
さらに日本のうどんほどグルテンが多くない粉を使うのか、もっちりとはしていますがコシはあまりありません。
煮込みスープの中に麺をそのまま投入するところもまたすいとんやほうとうを思わせます。
また、一般にきしめんの規格は幅4.5~7.5mmの麺ということですが、タントゥクはそれこそ2cmくらいはある幅広の平打ち麺です。
見た目で言うと、群馬のおっきりこみとか、岩手のぺろっこうどんのほうが近いです。
(でもこれらのようにツルツルしこしこの食感はない。もっさり。)
写真はキャベツなどの野菜の他に鶏肉、卵焼きも入った豪華版ですが、一般家庭では滅多に肉は食卓に上がらないため、野菜のみが定番。
また、険しい山岳地帯のチベットでは調味料は少なく、自然とシンプルな味付けになったからでしょう。
ちなみにインド内のチベット料理屋に行くと、インド人好みにターメリックやチリがはいったスパイシーな汁のこともあります。
日本人にはネパールで出てくるシンプルな味が一番なじむかも。
特別のごちそう感はありませんが、ダルバートが続いたあとに
これを食べると、懐かしくもあり、食が進みますよ。