マライヨmalaiyoはバラナシの季節限定名物菓子。見た目はふわふわのメレンゲなのですが、実は卵の白身を泡立てて作る洋菓子のメレンゲとは異なり、こちらは牛乳の泡からできています。
生乳を夜露にさらしておくことで、翌朝その夜露と共に生乳をへらでかき回すと濃厚な泡が立ちます。これをサフランで色づけし、香料を加えて香り付けしたものがこのお菓子です。ほんのり甘く、口の中で溶けていく不思議な季節限定デザートです。
たらいいっぱいにできたマライヨを陶器の器に盛りつけ、カルダモンをさっと振ったらできあがり。この時期、バラナシに行ったら是非食べてみて。
冬限定のミルクメレンゲ。バラナシ名物です。
このデザートはインドで最も賑わうお祭りディワリの後から1月の終わりくらいまでの季節限定のデザートです。
この頃からバラナシは日中の気温が20度、夜は7度くらいと非常に過ごしやすい季節になります。
使うのは殺菌された牛乳ではなく、絞りたての生乳なのだそうで、気温があまり高くないので生乳が腐らないことと、夜間に空気中の水分が結露して適度な水分が生乳に加わることで微妙な化学変化(?)を起こしているようだ。
美味しいと評判のお店が並ぶ地域がいくつかあるようですが、カール・バライロ寺院、ラーマ寺院などお寺付近の店があがるのがバラナシがヒンドゥ教の聖地であることを考えると腑に落ちる。
ヒンドゥ教徒にとって牛は聖なる動物。
牛から作り出されるものは全てが神聖です。
だから神様の恵みの牛乳を使った食べ物を寺院の前で提供するのは理にかなっていると思う。
ちなみに豆乳を煮た時に表面にできる膜がご存じ湯葉ですが、牛乳を煮てできる湯葉のような膜をマライと言います。
マライヨという名称はそこから来ていると思われる。
くみ取り湯葉に醤油をかけて食べるのなんて定番ですけど、インドでもこの”マライ“を集めたものにカルダモンを振りかけてそのまま食べるお菓子があります。
たらいの中に真っ白なババロアみたいなものがでろーんと入っており、「なんだろう?」と思わず見入っていたら味見させてくれた。
頭の中でヨーグルト味を想像しており、食べたらほとんど味がしなくってご遠慮申し上げた。
これがマライだったのです。
味がしなかったのは牛乳の味そのものだったから。後で作っている業者を見つけてようやく気づいた。
マライもバラナシを歩いていると寺院の周りなどで提供されています。
日本でも湯葉は精進料理の代表格です。
インドは仏教の発祥の地でもありますし、通じる物がありますね。
見かけも言葉も食べ物も全く違って見えるけど、繋がってるなぁ。想像が膨らみます。
ゴートゥーリヤのマライヨスタンド
ダシャシュワメードガート近くのゴートゥーリヤー交差点付近には季節限定の営業許可をもらった店舗がでています。
大きなスプーンでたらいから陶器の器によそうのですが、時間が経つと表面がだんだん黄色く変色していく。酸化?
見た目でレモンメレンゲだと思っていたため、「ミルキー、ミルキー」と声をかけるおじさんが不思議だったが、正体を知ればなるほどミルキーだ。
ちなみに最近のインドではプラスチックの容器で提供する屋台や
軽食屋が増える中、バラナシでは陶器の器が主流なのが好ましい。
インドの人はゴミをその辺に捨てる習慣があるんで、なるべく自然に戻る素材を使ってくれた方がよそ者ながら心が落ち着く。