アロスarrozはスペイン語で米、コングリcongriはコンゴス(豆)とリス(米)が合体してできた造語で豆ご飯という意味を持ちます。
フリホールネグロ(黒豆)を使った炊き込みご飯で、黒豆の色素が抜けてどす黒い紫色に染まります。
黒豆の他にタマネギのみじん切りやニンニクなどを加えて炊きますが、あくまでも主役は米。豆ご飯のほこほことした味を絶妙に引き立ててくれます。
米好きの日本人なら誰もが「美味い」と思うご飯です。
めっちゃうまかった黒豆ごはん。
キューバはスペインが侵攻した歴史があり、共通語もスペイン語。その後もアメリカ人が別荘地を建てて住んだりしていたので、なんとなく主食はパンだと思いがち。行ってみてびっくり。主食は米なんです。この国。
この料理は隣のハイチを支配していたフランス人が伝えたといわれます。
別名アロス・モロmoro。モロはスペイン語でムーア人を指す言葉です。
モロッコやモーリタニアなどのアフリカ北部のにいる民族です。
ハイチはスペイン人が西アフリカ諸国の黒人奴隷を連れて行ったため、
「ムーア人のご飯」という呼名になったのかもしれません。
西部の首都ハバナではアロス・モロ、東部のサンディアゴ・デ・クーバでは
アロス・コングリと呼ぶのが一般的という話も。
キューバは東部の方が黒人居住率が増加するので、
俗称の違いも関係あるのかなぁと思ったりもします。(確証なしです。)
キューバではご飯は主食としておかずと一緒に食べるものなので、
料理の位置づけ、食べ方がとってもアジアに似ている。
コングリもおかずとケンカしないように味つけはあっさりしています。
キドニービーンズと炊く場合はだしとして肉をいれることがありますが、
黒豆を使う時は豆の味が濃いので野菜のみで炊き込みます。
日本のうるち米よりも香りがきつい長粒種のお米を使うためか、ニンニクとかタマネギのような香りの強い野菜がしっくりくるん。
昔インドのご家庭で食事をごちそうになった時のことを思い出しました。
バスマティライスの中にちょっとタマネギのみじん切りが隠れていて、「インドでこんな美味い米初めてたべた~」って超感激したんですが、あのご飯にも入ってました。ニンニク。隠れていたんだなぁと今更思い出した。
東南アジアや南アジアには日本のニンニクほどくさくないのがあるんですよ。
そういう種類のニンニクが隠れて米の味を引き立ててくれたのだろうなぁ。
日本で作る場合は、タイ米を買ってくるとよいですよ。
また、日本語のレシピに小豆を使う物が多いのは、小豆が一番似てるから。
黒豆は色は似ていてもまるで仕上がりがことなってしまうので、
本当に黒豆ご飯にしたければ、南米食材店で黒豆缶を買ってください。
フリホレス・ネグロ(豆・黒)です。(ペースト買わないように注意。)
同じスペインの新興国の南米でも黒豆ご飯はあります。
ただ、南米では豆の方が主食でご飯がおかずと逆の立場の国(民族)もあり、
似てるような似てないような。食文化って面白いです。