麻は花山椒のしびれるような味、辣は唐辛子の辛味、燙は火傷するほど熱いという意味の中国語。辛い上に舌がビリビリとしびれる四川風の味つけの熱々スープに何かをいれて食べる料理で、こちらは麺をいれたものです。
四川風の味つけといっても四川省でない場所で食べると拍子抜けするほど山椒の量も唐辛子の量も少なくて、激辛というよりピリ辛でした。
安くて具だくさんなので、若者や簡単な軽食として人気です。
中国の飾らないピリ辛味付けのうどんです。
最初、この料理が出てきた時はポカンと口が開いたままになりました。
丼の中身がめんだらけというか、「なんだこれ?」と言うかんじで。
下の方の具をほじくりながら食べていたら店の人がやってきて、「ビニールをこうやって伸ばしてから混ぜて食べるのよ!」という。
言われたとおりにかき回してみると、うどんの下には昆布や茹で野菜など麺と同じくらいの量のたっぷり野菜が隠れていました。
味つけは麻辣と顆粒のスープの素、塩気の強い醤油系のタレ。
これらの調味料も具も麺もただ丼の上に重ねていっただけなので混ぜないと唐辛子が一気に気管に入ってむせたりして美味しくない。
よーく混ぜて食べると、野菜、麺にほどよく調味料が絡まって、唐辛子の辛さも塩辛さもちょうどよい塩梅になります。
この麺を食べた中国東北地方では、四川風の味が流行っているようで、どの街にいっても麻辣燙という看板を掲げた大衆食堂があります。
小さな軽食堂では麺をいれて食べさせるものが多いのですが、麻辣燙で野菜などを煮込んで食べる鍋のような料理を出す店もあるそうです。
野菜などで辛味が抑えられそれほど辛くないとか。
また、串刺しにした食材を麻辣燙で煮込んだピリ辛おでんも屋台やビアガーデンの食事メニューでもみかけました。
ところで10年以上前、中国人と混載のツアーに参加したときのこと。
食事の席が「四川」と「北京、広州などの都会者」に分かれてました。
ある晩、唐辛子たっぷりの麻辣煮込みが食事にでてきたのですが、四川組は美味しそうに食べているのに対し、都会組はお玉で皿をかき回しながら顔をしかめてました。
終いには「こんな辛いだけの田舎料理は食べる気がしない」と言い放ち、四川組に皿ごとあげてしまった。(私は食べたかったのに・・・。)
そんなことを思い出し、「時代は変わったのかなぁ。」と思ってしまった。
まあ東北地方は朝鮮族もいるのでもともと辛い物に抵抗なさそうだけど。
麻辣という割に山椒も唐辛子も控えめでしたが、逆に日本人には食べやすいです。
家にある野菜を片っ端から茹でて、食べるラー油と茹で饂飩で作るといいかも。
だしは、中華スープの素あたりでさっぱりいくのが美味しそうです。