粽zongは肉などの具が入った餅米を竹の皮で包み、蒸したり、煮たりして作るおこわ。中国各地で入る具や味つけは様々で、いわゆるご当地粽が数多く存在します。
こちらの粽は台湾南部のアモイの名物粽。焼肉粽という通り、一口大の大きさの焼いた豚肉が入っています。その他にも栗、椎茸、干しエビなどの具がふんだんに入っており、薬膳ぽい味つけに仕上げた糯米が特徴的。それをニンニクと生姜がタップリ入った甘めのチリソースで戴きます。
ところ変われば味もここまで変化するのかとびっくりした一品。
焼き肉が入ったちまき。よくある中華風ちまきです。
中華文化圏では旧暦の5月5日にあたる「端午節(端午の節句)」に粽を食べる習慣があります。
大陸でも端午節以外で粽は見かけない地方もありますが、南の方では小吃として普段から食べているところが多く、アモイでは焼き肉粽が定番です。
粽に限らず、アモイでは小吃にしばしばチリソースが添えられます。
トマトケチャップに唐辛子が入ったようなソースで、ケチャップ特有の酸味と甘味のある味にピリッと辛味が加わったようなものです。
これにニンニクなどの薬味の香りとコクをプラスしたものが、淡泊な味の小吃に合わせて出てくるんです。
このソースがなくても充分食べられる味つけなのですが、ソースがわかりやすい美味しさなので、味が変わって飽きが来ない。
そういう意味では付けて食べるのもいいです。
(とゆーか、皿にてんこ盛りのソースの上に粽が鎮座しておりますが。)
1980焼肉粽
アモイ市中山路353号
アモイの繁華街中山路にある老舗の粽屋さん。港から中山路に向かって立つと、道路の突き当たりに近い場所にあります。
入口は狭いが奥に広がっており、それなりに広々としています。
以前は加料焼肉粽という店名だったので改装して名前が変わったようです。
店名にもなっている焼き肉粽が名物ですが、沙茶面や魚丸湯、海老麺、雲呑などアモイの名物小吃はほとんどメニューに並んでいます。
販売スペースが限られているので、時間帯によって品揃えは異なるよう。
粽とスープという組み合わせは朝食にぴったりでした。