トゥミスtumisが炒め煮、ブンガbungaが花、ペパヤpepayaがパパイヤを指すインドネシア語。パパイヤの花の炒め物です。
パパイヤの花の蕾みと葉っぱを食べやすい大きさに刻み、唐辛子、ニンニク、塩だけでシンプルに炒め煮にしたもの。
トゥミスという調理法はただ油で炒めるのではなく、ちょっとの油を使い、水を少し入れて蓋をして蒸し煮にする調理法なので、油がギトギトしておらず、素材の味を損なわず、ほんの少しのスパイスと調味料で頂けます。
日本ではなかなか食べられない素材なので、現地で是非たべてみて。(沖縄では食べるかしらん?)
この料理はインドネシア東部のマルク地方の郷土料理です。
パパイヤは熱帯全域で採れる植物のため、他地方でも食べられています。
日本人によく知られているのはダイビングリゾートとしておなじみのスラウェシ島のマナド。
マルクとお隣同士のスラウェシは食材や調理方法が似るものもある。
インドネシア東部では土壌や水質が稲作や畑作に適しておらず、我々が普段口にするような野菜は他の島から船で運ばねばなりません。
市場でもキャベツが千切りの状態で売られていたりします。
丸ごとで売らないのは値段の問題と、保存の問題が考えられます。高原野菜のキャベツは冷暗所に保管しないとすぐ傷みますから。
そんな背景から島の人の栄養源として、庭先に生えているパパイヤが食卓を賑わしてきました。
ジャワ島などでも地方では市場に並んでいたりするようですが、他にも食材がたくさんあるので、常食まではいかないようです。
インドネシアでは、パパイヤは健康食材として知られています。
熟れた実はそのまま食べ、完熟前の青い実はスープや炒め物にします。花には苦みがありますが、その苦み成分が健康にいいのだとか。アルカロイド、タンニン、ステロイド、フラボノイド等々を含み、血液をサラサラするそうです。(妊婦さんにもいいとも。)
苦みが苦手なら、苦みを抜いてから調理します。
調理前にグアバの葉をいれた水を沸騰させたもので湯通ししたり、魚や肉、他の野菜などと一緒に炒めると苦みを感じにくくなるとか。
このサイトでもカンクン・ブンガ・ペパヤという料理を掲載していますが、これは干し魚と空心菜にパパイヤの花を合わせた料理で、パパイヤの花の適度なほろ苦さは逆にアクセントになっていたかも。
他の葉っぱと炒めずとも、パパイヤの葉っぱとパパイヤの花を一緒に炒めた物ももちろんあって、花と葉っぱの割合はその時々。
パパイヤの葉は、ビタミンCやカロテノイドやフラボノイドなど抗酸化作用をもつ成分を豊富に含み、さらに抗がん作用を持つ成分が豊富に含まれているとう報告があるそうで、民間療法でがんの治療にも使われているとか。
葉っぱを煎じてお茶にしたり、ジュースにして飲んだりするそうです。
普段からパパイヤを常食しているインドネシア人はもしかしたらがん患者が少なかったりするのかなぁ?と想像してます。
マルク州に行くとパパイヤの花は市場でも売られているし、宿のお母ちゃんも普通に作ってくれます。是非食べてみてください。