四神湯si shen tangは、ヤマイモ、茯苓、蓮の実、けん実の4つの漢方食材を煮込んだ薬膳スープのこと。この4つの生薬を四臣子と呼び、点じて同音の四神になったようです。
薬膳というとそれなりに高級なお店で味わう物と考えてしまいますが、こちらは夜市や軽食店の定番の薬膳スープで、皆さん粽などの軽食に添えて頂いておられます。
このお店の四神湯は鳩麦と豚の腸、ニンニクが入っているのですが、味つけは重湯と間違うほど薄い。ほんのり米の麹の香りがするサッパリした料理でした。
なんか神々しいけど地味な薬膳スープです。
4種類の漢方薬はコストや食感を考え、1つか2つが省略。ハトムギに代えられているそうです。こちらも鳩麦がたっぷり。食べやすいのはそのせいかもしれません。
薬膳というと漢方薬独特の苦みを我慢しながら味わうと思いがちですが、苦みは皆無。何度も言うけど重湯というかハトムギのお粥でも食べている様です。
台湾人は食に関してはとってもシビアです。
美味しいこと以上に体に良いことも重要視する傾向があります。
従って味の濃いB級グルメを喜んで食べあるいている日本人には
時々「なんでこの料理に行列ができているのだろう?」と疑問に思うようなものがある。
そういう料理は油や甘味、うまみというわかりやすいうまさではなくて、
「体を温める」「体に良い」とか裏に秘められた理由があるようです。
このスープが愛されている理由は「水分の排出を促し、疲労回復に役立つ。」だそう。
確かに汗をだらだら流した後などの水分補給にもなる上に栄養もあって疲労回復しそう。
中国医学では例えば「胃が悪い時は動物の同じ部位(この場合は胃)を食べると体にいい」という考えがあるときいたことがある。
このスープには豚の胃や腸が必ず入っているので「胃腸に良い」というのもその為だと思います。
ルーロー飯、肉繰飯、粽などご飯物の軽食を食べる時に合わせてどうぞ。
サッパリした優しい味ですが、ご飯物の方が味が濃いのでバランスがよいです。