各国食文化解説

ベトナム料理

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均気温22度の熱帯モンスーン地域※に属し、中国、東南アジアの接点にあるベトナムは、
長い歴史の中で中国やフランスの影響が伝統的な食文化に溶け込み息づいています。

世界三大料理と称される「中華料理」と「フランス料理」。
この二大食文化を上手に取り込んだベトナムの味が美味しくないはずがないですよね!?

※厳密に言うと北部は亜熱帯性気候で四季があり、南部は熱帯モンスーン気候で雨期と乾期に分かれます。

ベトナム料理の主な特徴

■中国料理ほど油を使わず、タイ料理ほど辛くない。

■フランス料理の洗練された味が加わっている。
バインミー

 例えば・・・
  バインミー
   フランスパンが軽くすかすかになったようなパンにレバーや
   野菜を挟み、ヌックマムなどで仕上げたサンドイッチ。
  ボー・コォー(ベトナム風ビーフシチュー)
   ベトナム風のシチューはスパイスとヌックマムが味の決め手。
  コーヒー
   ミルクの代わりに保存の利くコンデンスミルクが使われてベトナムコーヒー=甘い飲み物に。

  プリンやシュークリーム、アイスクリームなどのデザート
   プリンはコンデンスミルクがたっぷりでコクのある甘さが特徴。

■広東料理の影響を強く受けている。

春巻き、鍋、麺、おかゆ、炒め物など、調理法は中華っぽいのにしっかりベトナムの味。

■宗教上の厳しい食戒律がないため、何でも食材になる。

牛、豚、鶏は勿論、アヒル、山羊、カエル、蛇、鳩、ウサギ、アルマジロ・・・といろいろ食べる。

■ヌックマムが不可欠である。

アジ、サバ、鰯の塩漬けの発酵調味料。フーコック島産のヌックマムが有名。
鍋にいれるハーブ類

■生野菜、ハーブをよく食べる。

ライスペーパーにハーブとしょっぱいおかずを巻いて食べたり、
 鍋に入れたり、食事の付け合わせにかじったり、
 とにかくよく香りのある野菜を食べる。

■シンプル、繊細な味。

料理には控えめに味付けをし、各自が取り分けながら

好みの味に仕上げて食べる。

■米飯を主食として魚をよく食べる。

■大皿、大ハチに盛りつけて食べる。

大勢で取り分けながら食べるスタイル。鍋屋で仲間が集って宴会している様は日本とそっくり

地域による特徴

ベトナムは南北に細長い地形をしています。
また国の東側は海に面し、西側には山が連なり、
ラオス、中国、カンボジアと国境を接しています。
このような地形や気候、環境の違いから、
地方によって食材や調理法、味が異なります。

例えば、日本で誰もが知っているベトナム料理に
フォーがありますが、ハノイでは牛肉にほんのちょっと
香菜を入れて食べるシンプルな麺なのに対し、
南部では生野菜やハーブをたっぷりと入れます。

また、土着の民族や外国との交易の影響を受けても味は変化します。

同じように南北に長く、様々な気候風土を持つ日本人には理解しやすい特徴ですね。

地域によるざっくりとした違い

■北部

四季があるので、季節の旬の食材、味がある。

年中食材があるわけではないので質素だった。故にシンプルな味付けが多い。

(甘みが少なく、塩、ヌックマム、醤油で味を付ける)

■中部

かつて都があった影響から、王様に献上できる手の込んだ料理が特徴。

唐辛子などの辛みが効いた料理が多い。

海外からの交易都市として栄えたホイアンは、日本や中国の影響を受けた料理が食べられる。

■南部

一年中温暖なため食材が豊富。様々な食材を組み合わせた料理が多い。

味付けが甘い。

中国人、フランス人、クメール人の影響を受けている。

ベトナム料理をもっと知る

かつてのベトナム旅行ブームも手伝ってか、ベトナムに魅せられてベトナムに渡った人が
発信する
webサイトや本がたくさん出ています。
ベトナムの食文化を知りたいあなたにそんな情報を発信しているサイトや本をご紹介します。
読んでいるうちにベトナムに飛んでいきたくなるような情報が一杯ですよ。

ベトナム料理を知るwebサイト

べとめし案内
 普段着感覚で食べれるベトナム料理『ベトめし』の情報を中心にベトナムの文化やトレンドを紹介。
ベトナム料理 an com
 ベトナム料理研究家伊藤忍さんの公式サイト。レシピや料理教室など。
食べるベトナムanan
 ホーチミンとハノイの美味しい情報満載。ベトナムといえば「食」の人に必見のサイト。
ベトナムスケッチ
 ベトナム情報が満載。綿密な取材でベトナム食文化を知る上でも様々な情報が得られる。

ベトナム料理の知る本

ベトナムめしの旅

炊きたてのごはんに合う家庭料理や、そこの水でしか作れないご当地麺など、各地方に伝わる逸品を求めて旅するベトナム食の旅行記
ベトナムに魅せられた料理研究家と写真家の北に南に食べ歩きの旅に。
自分が旅して食べたベトナムめしの正体が明かされたりして、「なるほど」とうなることもありました。自分も食べ歩きの旅に出たくなること請け合いです。巻末に日本でも出来る簡単なベトナム家庭料理のレシピも数点掲載されています。

[紹介されている料理例]:カインチュアカーロック(雷魚の甘すっぱからいスープ)、フー・ティウ(米麺)、発酵魚の鍋料理、ヌック・マム(魚の発酵調味料)、ネム・ヌォン(発酵ソーセージ)、西湖風海老の天ぷら、タニシの漢方蒸し、カニ汁麺などなど。

ベトナムめし楽食大図鑑

ベトナムのご飯をこれでもかって紹介したものでかなり本気の一冊。
ベトナムご飯はフォーや生春巻きでだけではない。「ベトナム人がいつも食べているおいしいご飯を食べまくる」をテーマに、ひたすら食べまくって紹介している。
その辺の屋台から高級料理店までくまなく取材し、おいしかった物以外は載せないという徹底ぶりで、400品以上のベトナム料理を「朝ごはん」「昼ごはん」「おやつ」「夕ごはん」のシチュエーションごとに紹介。ああ、こういう本ほしかったんだ~。
「ベトナム旅行は食べ歩きが目的!」というあなたは旅行に携えて行きましょう!

浜井幸子さんの本

アジアの食べ歩き旅行をかわいいイラストでつづった著書で有名な浜井幸子さん。
たっぷりうれしいベトナムへ!―ベトナムおいしい旅ガイドは、浜井さんのベトナム食べ歩き日記という感じで、一人でふらふらっとベトナムを旅したい人には参考になる。逆に大人数でわーーっと食べるような料理、例えば鍋などは出てきません。

世界の食文化(4) ベトナム・ラオス・カンボジア・ミャンマー

フォーで始まる朝のベトナム、干物と塩辛のカンボジア、モチ米のラオス、油と豆のミャンマーなど、米と魚醤の地・東南アジア4カ国の食文化を紹介する本。
この本のシリーズは、各国文化を研究している学者が手がけていて、書き手が食の専門家ではなかったり、複数人で1冊の本を仕上げるため内容や文体にばらつきがある。

ベトナム料理のレシピ本

ベトナムの料理とデザート

ベトナム出身の著者が定番の家庭料理を紹介したレシピ。著者の家庭に代々受け継がれた味を中心に、簡単ながらも本格的な家庭料理を紹介してあります。
使用するハーブや野菜を始め、たれやラードなどの作り方も写真付きで丁寧に解説されているのが嬉しい。カオ・ラウなどは日本で麺が手に入りにくいため、うどんを代用に提案するなど日本でも手に入る材料を考えて構成されているのが嬉しい。

ベトナム葉っぱごはん

ベトナムの人は野菜やハーブを上手に取り入れて食べます。
肉や魚を葉っぱで包んだり、鍋にたっぷりの葉野菜を入れたり、とにかく野菜をたくさん取るので、ベトナム旅行も長くなると肌がつるつるになっている自分に気がつくことも。
味付けもシンプル、ヘルシーで野菜たっぷり。そんなベトナム料理に魅せられた著者が、野菜をもっとおいしく食べたいと思っているかたがに役にたつレシピを大公開。巻末にはホーチミンとハノイの食楽案内付き。

白いご飯にぴったり!はじめてのベトナムおかず

ベトナムめし楽食大図鑑の伊藤、福井コンビが送る料理レシピ本。
家庭で毎日作る簡単料理を「わかりやすさ」「作りやすさ」に重点を置いて説明しています。
日本で手に入りにくい材料は、手に入る代替え品を提案してあり、厳密に本場の味にこだわらないところが入りやすい。パクチーなどのハーブは植木鉢で簡単に栽培できるので、自分で作るといいですよ。(植木鉢と土と種があれば簡単にできます。)

ベトナム食材を買う


tuyet voi

定番のヌックマムだけでなく、バインセオ(ベトナムの米粉を使ったお好み焼き)ミックスなども扱っています。ライスペーパーも薄いのに破れにくいと評判!

厳選された品物を扱っているので、自分でいろんな中から選びたい人は不向きです。
逆に失敗がなく確実なベトナム食材を調達できて安心です。

宝島・台湾・中華・エスニック食品

中華材料が中心の品揃えですが、ニョクマムやナムプラーなどのエスニック調味料も扱うお店。
様々な食材をまとめ買いするときに便利。

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