扁食bian shiは別名:扁肉。閩南語で平たく伸ばした生地に肉を包んで食べるもの。ワンタンのことをいいます。
丁寧にとったクリアなスープにセロリの清々しい香りと揚げニンニクの香ばしい香りをプラス。さらにこれに醤油、酢、ラー油、胡椒を使ってお好みの味に調味します。
薄くてもちもちしたワンタンと豚肉のうまみと適度に混ざった脂の甘味が口の中に広がって幸せな気持ちになる。スープも水みたいに飲み干せるし。あー、お代わりしたい。
とにかくうまい。つるつるっと入る。
ワンタンは中国大陸では地方により様々な呼び名がありますが、台湾は福建省から渡ってきた人が多いため、閩南語の呼び名で定着しています。
ワンタンは元々中国大陸の北方で生まれた料理のようですが、呼び方は地方によって様々で、まず標準が「饂飩」です。
その上で、四川では「抄手」、広東では「雲呑」、湖北では「包面」、江西では「清湯」、「便食」、江蘇では「淮餃」、新疆は「曲曲」、福建では「扁肉」、「扁食」という具合で、まー混乱する。混乱する。
昔、日本のうどんのつもりで饂飩を頼んだらワンタンが出てきて驚いたことがあります。
同じ漢字文化圏でも意味の違う言葉がいっぱいあるのですね。
台湾東部の町、花蓮の名物の一つが扁食です。花蓮市内にワンタンだけを出す老舗のワンタン屋がいくつもあります。
丁寧にアクを取ったクリアスープに豚肉だけを皮に包んだワンタンで、豚のうまみとサッパリしたスープや薬味との相性が抜群。
昔、香港の雲呑を美味しいと思ったけど、台湾の方が断然スープが好み。
香港は思えばすこし化学調味料がきつかったかも?
ちょっとお酢を垂らすと口の中がとってもサッパリするので、花蓮では夏に水分補給をするのに食べるというのも納得します。
ちなみに屏東県の里港も「扁食」が名物だそうですが、こちらは花蓮とは違って、味つけがしっかりしているそうだ。
台湾西南部の軽食は甘辛い味が多かった気がしますので、地元の人の好みなのかも。
日本も地方によって味つけの好みが全く違うので、意見が分かれそうですね。
いずれ食べ比べてみたいですね。
戴記扁食
花蓮市中華路120号
中華路を歩いていて見つけた扁食専門店。
3代続く中堅的なワンタン店で、3代目の孫娘が店を大きくしたそう。
メニューはワンタンのみなのであっという間に運ばれてくる。
店頭で包んでいたワンタンを見ていると、入っているのは肉のみで、豚肉がうまくなければこの味はでないよなぁ。とうなる。
近くの有名店「液香扁食店」の姉妹店だそうで味のベースが似ているそう。