魚丸yuwanは魚のつみれ、湯tangはスープのこと。白身魚のすり身を団子にしたものを浮かべたスープのことで、中国南部福建省のアモイの名物小吃の一つです。
何が特徴なのかといえば、実はこのつみれは単なる魚のつみれではないのです。団子にかぶりつくとあらびっくり。真ん中に豚肉と小エビを包み込んであり、あっさりしがちな練り物にコクがプラスされているのです。
知らずに食べるとおお!とアタリが出てきたようで嬉しいのだ。
魚のつみれの中に餡が入っているのがうれしい。汁物。
アモイは古くから港が開かれ、貿易港として栄えてきた港町です。
海鮮料理は言わずもがな、各国の食文化が入り混じっており、小吃ひとつとっても他の町とはひと味違います。
全体にあっさりした味ですが、少し甘めのものが多いです。
これは豚肉ベースの少し甘めのスープに生姜と葱が入っています。
塩が弱めなのであっさり味の魚団子にはそれなりに合います。
そして、団子は口の中に入って初めて豚と海老のうまみがほぐれ、じゅわーっと広がる。
中国人はやっぱり豚肉の使い方が上手です。
この魚団子はシンプルにスープに浮かべて食べるほかにも、汁系の麺類の上にどっかりと乗せてくれることもあります。
沙茶面の様にこってり味のスープにも合いますよ。
沙茶面はスープが濃いので肉だけの団子だとしつこくもあり、この魚団子はマッチしますね。
朝食に粽や饅頭類と一緒に食べるとバランスがよくてオススメ。
美味しいです。
1980焼肉粽
アモイ市中山路353号
アモイの繁華街中山路にある老舗の粽屋さん。港から中山路に向かって立つと、道路の突き当たりに近い場所にあります。
入口は狭いが奥に広がっており、それなりに広々としています。
以前は加料焼肉粽という店名だったので改装して名前が変わったようです。
店名にもなっている焼き肉粽が名物ですが、沙茶面や魚丸湯、海老麺、雲呑などアモイの名物小吃はほとんどメニューに並んでいます。
ただし、販売スペースが限られているので、時間帯によって品揃えは異なるようです。粽とスープという組み合わせは朝食にぴったりでした。