サチsacというのはブリキで作られた浅い鍋。ケバブkebabıは焼肉のこと。
ただし、ケバブとは一般に炭火や鉄板で焼いた焼肉だけではなく、水を加えずにトマトなどの野菜と一緒に炒め煮にする場合やオーブンで蒸し煮にする料理も含まれます。
ご覧のようにこの料理は後者のタイプ。サチの代りに鋳鉄鍋を使い、鶏肉と野菜をたっぷり使った蒸し煮。
ぷりっぷりの鶏肉とトマトの相性が抜群で涙が出るほど美味かった。
トルコ料理が苦手な人もこれは絶対うなります!
このサチ・ケバブはキルクーク※料理の代表的な肉料理の一つでもあり、その起源はトルコだそうです。
以前、トルコ旅行中に「サチ・ケバブはクルドの料理だ!」と言われたという旅行記を見ましたが、鶏と卵の関係みたいではっきりとどちらが先なのかははっきりしませんでした。
中央アジア、イスラム、地中海の文化を取り入れて拡大したオスマン帝国の食文化が、
現在のトルコ料理を形作ったのですから、その中にクルドも含まれていたとは思う。
平たい鉄板のようなフライパン・サチを使った中央アジアの遊牧民由来の料理だと思われます。
※キルクーク:イラク北部の古代都市。国を持たない民族クルド人も多く住む。
見所もたくさんありますが石油が出るのが民族紛争の元。気軽に行きにくい。
この料理は日本人旅行者にはカッパドキア地方の名物料理として知られており、
しばしばトルコ旅行ツアーの食事で出てきます。
カッパドキアでは「サチ・タワ」と呼ばれることが多いようです。
タワは揚げ物という意味以外にフライパンで調理した物の総称としても使われます。
つまり、サチというフライパンの料理っていうことになりますね。
ケバブと付く場合は特に「肉料理」を強調している感じです。
この皿も野菜よりも肉がてんこ盛り!おまけにトルコの田舎の地鶏はむちゃくちゃ旨い。
もし、羊、牛、鶏肉から選べる場合は絶対に鶏を選んでください!鶏です。鶏。
私はパムッカレの宿ご飯で食べました。「サージ・ケバブ」と言うので真ん中にサーデ・ピラウ(バターと塩だけのシンプルなピラフ)が乗っているから「サーデ・ケバブ」ってことかな?と思っていた。
日本語ではサチ・ケバブと表記が多いのでサチにしましたが、発音が近いのかどうかは未だ不明です。
トルコでは米は野菜の一つなので、これをパンと一緒に食べます。
トルコでいろんな料理を食べましたが、最も美味かったのがこれです。お代りしたかったくらい。香辛料でごまかしなどしておらず、素材の味がキッパリくっきりでていてとにかくバカウマです。トルコの内陸部に行ったら是非食べてみてください。