フィッシュは英語のままでお魚。モーリーmoli/moleeは煮込むという意味です。スペイン語で煮込み料理を表すモーレmoleから転じたという説があります。
魚を胡椒、唐辛子、生姜、ココナッツミルクで煮込んだもので、南インドのケララ州の伝統的な料理です。
野菜とココナッツミルクの甘みが唐辛子や胡椒の辛味をマイルドに緩和して、魚の美味しさを絶妙な美味しさで味わうことができます。南インド版のクリームシチューといえばイメージしやすい。
ココナッツミルクがクリーミーな魚カレー。タイカレーにも似てるかも。
バスコダガマがインド航路を発見したことは歴史で習いましたが、以後、南インドはポルトガル、スペインなどのヨーロッパの国々との香辛料貿易の中心地となりました。
この料理は地元の食材とヨーロピアンたちが持ち込んだ調理法が融合して出来た料理とも言われています。
そもそもモーレはアステカ帝国時代のメキシコでソースを意味するモーリ(ムーリ)から来ていると言われ、要するに大航海時代に南米原産の唐辛子と料理の名称も入ってきたということでしょう。
ケララ州は南北に長く、海に接しているため魚料理が豊富です。
この料理は、特にケララ出身のキリスト教徒に好まれるとか。
家庭によって味付けや使っているスパイスが違ってくるようですが、
私が食べた物は魚の他にタマネギ、トマト、パニールがはいり、
スパイスはクローブ、こぶみかん、ターメリック、マスタードシードと胡椒でした。
ガラムマサラなどのスパイスミックスを仕上げに使ってあったかもしれません。
主食はパロタやアッパムで食べることが多いみたいですが、今回はライムライスやオニオンライスで試してみました。
ライムライスもオニオンライスもギーもしくはバターで軽く炒めて軽い塩味がついており、それぞれライムとタマネギのほんのり香る。
それだけ食べてもうまいのだが、カレーをかけるとまた格別。
特にオニオンライスがカレーに香ばしさが加わって美味しい。
南インドに行ったら是非魚の煮込み系に挑戦してみてください。
フィッシュモーリーのレシピ
魚 1キロ (マナガツオなど)
青唐辛子 4本
生姜1かけ (スライスする)
ニンニク 5個(スライスする)
カレーリーブ 1枚
ターメリックパウダー 小さじ1/2
ガラムマサラ 小さじ1
シナモンスティック 1本
クローブ 4本
カルダモン 3粒
ココナッツミルク 1カップ
油 小さじ1
酢 大さじ1
水 1/2カップ
塩 適量
- 魚の皮を剥き、適当な大きさに切り分け、ガラムマサラと塩をまぶし30分置く。
- 1を軽く揚げるか焼く。
- 油を引いたフライパンを熱し、クローブ、シナモン、カルダモンを1分炒める。
- 3にタマネギ、生姜、唐辛子、ニンニク、カレーリーブを加えよく炒め、ターメリックと水を加えて1分煮込む。
- 水が暖まったところで魚を加えてふたをし、しばらく煮込む。
- 5にココナッツミルクを加え数秒加熱し、沸騰する直前に酢を加え火から下ろす。
- 皿に盛り、トマトを添えてできあがり。