ムルグmurghが鶏肉、マッカーニmakhaniがバターという意味のヒンディ語。様々なスパイスが入ったヨーグルトに一晩つけた鶏肉をタンドールで焼いたいわゆるタンドーリ・チキンをトマトやスパイス、たっぷりのバター(ギー)を入れたソースで煮込んで作るこってりと濃厚な煮込み料理です。
カシューナッツペーストを加えることもあり、さらりどろりとしてこってりした味わいになる。
食べ過ぎると成人病になりそうですが、これが大好きな日本人は結構多いです。
バターたっぷりチキンカレー。
この料理は英領インド時代にペシャワール(現パキスタン)にあったモティマハルデラックスというレストランにさかのぼります。
この店は1947年の英領からの分離独立でデリーに移転しました。
そこで提供されたのが始まりだそうです。
モティマハルはオールドデリーにあり、タンドーリ・チキン料理が有名です。
ムルグ・マッカーニは鶏肉を漬け込んだ後のマリネ液を活用するためにトマトとバターを加えてソースを作ったところから生まれました。
マリネ液に溶け込んだ鶏のエキスも加わって美味しくなったと。
現在はこのお店だけでなくあちこちのインド料理屋にこの料理が伝わり、日本のテレビでも有名人がインド料理屋を紹介するときに「バターチキン」を押しているのをよく見かける。
油とトマトのうまみってわかりやすいおいしさになりますもんね。
ちなみに似たような料理でチキンティッカマサラというのがあります。
こちらの起源はインドではなくイギリスのインド料理屋です。
イギリスにあるインド料理店でのこと。
チキンティッカを注文したお客さんが「肉がぱさついている」と文句を言って突き返したところ、シェフがキャンベルのトマトスープ缶とクリームとスパイスを混ぜてソースを作って、突き返されたチキンにかけて出したというのが始まりだそう。
キャンベルのスープという時点でアメリカの味つけというあたりが皮肉ですが、
イギリスの国民食と言い出す政治家もいて、料理研究家が猛反発したそう。
確かに私もチキンティッカは肉がぱさつくと思ったことありますけど、
チキンティッカって骨なし肉なんで。使ってる肉の部位が違う。
一般に骨付肉を使うタンドーリ・チキンに比べると、食感違いますよね。
ムルグ・マッカーニとチキンティッカマサラは、材料も作り方も微妙に似ているけど違う。
バターチキンの味のベースはタンドーリ・チキンにあるので、タンドーリ・チキンを提供するムガル料理店、パンジャブ料理店などで食べることができます。
こってり濃厚で毎日食べたら成人病になりそうな料理ですけど、
クリームやカシューペーストなど、各店舗で工夫を凝らした味のソースを楽しみたいですね。
ブルースカイカフェ
カジュラホ メインロード(西の寺院群前)
世界遺産にもなっている寺院群が有名なカジュラホにあるレストラン。
西の寺院群の目の前にあり、寺院を眺めながら食事ができる。
インド料理は全体にこってりとした味付けで、物によってはココナッツミルクが入っていたりして、他ではあまり食べたことがない味つけ。
日本語を話す人(たぶんスタッフではなくガイド)がいるので、
一人旅の日本人が人恋しさに貯まる場所でもあるようです。
日本食もメニューにあります。
モティマハル
1947年創業のパンジャブ料理レストラン。インドの政治家や芸能人も良く訪れる有名店です。
日本で腕を振るうインド人シェフの肩書きに「モティ・マハルで修行した」と誇らしげにつけるのものも、この店のステイタスの現れかも。
デリー在住の庶民もお誕生日祝いなどの時にここをよく使っています。
バターチキンはまだ食べてません。機会があったら発祥のお店で食べてみたいです。