イカンikanは魚、ゴレンgorengは揚げたり炒めたりすること。そしてケチャップkecapは醤油を差すインドネシア語です。
フライパンでニンニク、生姜、唐辛子、甘い醤油などを加えて作ったソースに揚げた魚を絡めたものでインドネシアの家庭や中華料理屋で一般的な料理です。
揚げ魚だけでなく、焼き魚、蒸し魚でもよくある味つけ。中華系住民の多いインドネシアだけに、「あるだろな~」っていう味。普通に美味しい。
揚げ魚の醤油ソースがけ。
写真のイカン・ケチャップはシンプルにニンニクと醤油だけですが、魚に玉葱やトマトなど刻み野菜を一緒に炒めたソースをかけた豪華版のこともあります。
また、イカンというのは魚の総称。魚にもいろいろあるので、イカンの後に魚の種類、カカップ(鯛)とかカカラン(鰹)とか、食堂などでは魚の名称を明記しているところもあります。
また右上は、一見シンプルな角切り鰹のニンニク醤油ソースですが、ナツメグの産地バンダ諸島のアイ島の家庭料理だったため、割ったナツメグをソースに加えてありました。
ナツメグというと肉の臭み消しのイメージしかないけれど、このバンダ諸島では魚にもスープにもナツメグが入っていました。
ちなみに日本語ではケチャップというとトマトケチャップをさしますが、インドネシア語では醤油のことをいいます。
黒大豆と椰子砂糖で作った甘い醤油はケチャップマニス(甘い醤油)といいます。
しょっぱい醤油はケチャップアシン。
さらに甘さとしょっぱさが中間くらいのケチャップ・スダンもある。
ケチャップマニスは調味の段階で砂糖を加える必要もなく便利だけど、どろりとしたペースト状なのでチューブから中身がなかなか出てこなくて使いにくい。
もちょっとさらりとした方が調味料として使いやすいと思うのは私だけ?