イカンikanは魚、テロールtelurは卵、アサップasapは煙という意味のインドネシア語。料理の材料名の後にアサップが付くと煙でいぶして焼いたもの、つまり薫製になります。魚卵の薫製です。それもマグロの卵を薫製にしたものだから珍しい。
卵を丸ごと取り出して竹串をぶっさして煙でじっくりいぶし焼き。食べる時はサンバルをたっぷりかけるのがインドネシア流です。薫製独特の香りとプチプチした食感を楽しめる珍味です。
マグロの卵ってでかい!燻製にして食べる。
日本人にとってポピュラーな魚卵はタラコやいくらなどで、まさかマグロの卵をたべるとは思いも寄りませんでしたが、そりゃマグロだって卵生んで繁殖するよね。
体がでかいのでおなかに収まっている卵もでかいわけで、屋台に並べられた魚卵は直径4cm、幅20cm以上はありました。
薫製にする理由はズバリ日持ちが第一でしょう。
我が国と同じく海に囲まれた島嶼国家で魚をよく食べる国民性。年中暑い赤道直下の国だけど冷蔵庫は全体に浸透していません。(離島は24時間電気が通じていない場合もある。)
採れた魚を上手に保管するには薫製が一番なんでしょうね。
食物を煙で燻すと煙に含まれるフェノール類が殺菌作用を起こす上に煙が食品をコーティングして細菌の侵入を防ぐ効果があるのだそう。そして、さらに強力な防虫効果もある。
味の方は魚卵は魚卵という感じです。
でかい魚の卵なので皮も分厚く、ぶっちりとかみ切るのが大変ですが、卵の粒はそれほど大きくなくプチプチとした食感が楽しめます。
酒のつまみにぴったりの珍味ですけど、でもムスリムの人が多いから酒の肴というより、絶対にご飯のお友なんだよね~。
薫製なのでご飯のおともとしてはちょっとバサバサ過ぎる感じがします。
ほぐした後にサンバルをたっぷりかけてご飯と混ぜて頂くのがベストマッチでしょう。いわば焼き明太子みたいな感じ?