テロンterongは茄子、ゴレンgorengは揚げたり炒めたりする調理法。サウスがソースです。ケナリというのはマルク諸島の小さな島バンダ島で採れるアーモンドの様な形をしたナッツ。このケナリをすり潰して塩や唐辛子で調味したソースを揚げ茄子の上にどろんとかけた料理です。
油をすってへろへろに柔らかくなった茄子に、ほんの少しぴりりとする濃厚なソースがベストマッチ。ま、豆さえ安ければ日本でも作るのに~!という贅沢な一品。
マルクの料理で好きなものの一つです。
ケナリは木の上ではくるみの様な固い殻に被われています。ナタで殻を割ると涙のしずくのような実が2,3個入っています。形はアーモンドと似ていますが、薄皮にシワがよってません。
この生の実の皮を剥き、すり潰して、塩、唐辛子、酢、玉葱と混ぜたのが、ケナリソースです。
ナッツの風味を活かすためか塩や唐辛子、酢は味を調える程度。
豆特有の油分と甘味が効いた濃厚なソースが仕上がります。
素揚げしてくたくたになった茄子には全く味つけはないので、ソースをたっぷりからめながら食べる。贅沢な味~。
このソースは茄子だけでなく、タロイモや魚にかけたり、トマトを加えて見た目が真っ赤な魚のケナリ煮込みもあるようです。
ナッツの脂があるので淡泊な味の素材によくあいます。
バンダ島ではガドガドのソースもケナリです。
ピーナッツは他の島から運ばないとだめだけど、ケナリは自分の島で採れるからでしょう。
ピーナッツよりも淡泊な味のナッツなのでサッパリした後口でした。
カシューナッツをさらに淡泊にしたようなそんな味の豆なのです。
ケナリソースを日本で作ろうと思うとナッツが手に入らないので、カシューナッツとかアーモンドで代用するしかありません。
バンダ島でケナリ手に入れて来たので、家で作ってみたけど、ケナリの味付けがなかなか思うようにいきませんでした。
アーモンドなんかよりも少し油分が強いので、古くなったら酸化もした。
とれたてのところをすりつぶして使った方が美味しそうな感じです。