ルジャックrujakは生の芋や甘味の少ない果物を削ぐように大きめに切り、甘辛く、酸っぱいソースを添えたり混ぜたもの。
どちらかというとおやつとして食べるもので、人が集まるところにはルジャックをだす屋台を見つけることができます。
ソースの黒の正体は醤油ではなく砂糖。たっぷりの椰子砂糖にピーナッツ、唐辛子などが混ざっており、高カロリーなことこの上ない。暑さでエネルギーの消費が激しいインドネシアで水分と栄養を一度に採れるバランス栄養食かも。
フルーツに甘塩っぱいソースをたっぷり絡める!夏バテ防止にぴったり
写真のルジャックはアンボンの海水浴場の屋台のもの。
青いパパイヤ、ジャックフルーツ、スターフルーツなどをそぎ切りし、甘辛いソースを和えてあるのだが、このソース作りを見ていて驚いた。
まず最初にイブ(おばちゃん)が取り出したのは唐辛子。
唐辛子をごりごりと石臼でつぶして辛味成分を出した後、辛味汁を石臼に残し、種などの外側は捨ててしまいました。
そして、石臼に200gはある椰子砂糖の塊を投入。
グラ・メラッ(赤い砂糖)と呼ばれる椰子砂糖は赤茶色をしており、見た目は日本の黒糖にそっくりなのです。
その砂糖の塊を念入りにつぶしたあと、さらに砂糖とほぼ同量の薄皮つきのピーナッツを入れて、つぶし混ぜる。そして、できあがった砂糖たっぷりのペーストにカットフルーツを投入し、混ぜて、混ぜて、混ぜたのが写真のルジャック。
ひぇぇ~。あの砂糖はひと皿分の量だったの?このお皿直径10cmくらいしかないのですよ~?!
しかしとっても甘いのですが、不思議とスッキリした甘さなのです。
グラニュー糖と違い、椰子砂糖は香りもよく、甘さもスッキリ。ミネラルなどの栄養分もたっぷり入っています。
その上ピーナツの皮の苦み、ピーナッツの油のコク、フルーツの果汁の酸味が混ざって、見事なソースに仕上がっていた。
甘いけど、食べた後水をがぶ飲みしたくなるような甘さではなく、食後の舌の感覚が以外とさっぱりしているのが不思議です。ぴりっとした唐辛子の辛味の効き方も絶妙なのです。
ちなみにこれにトラシ(海老ペースト)を入れたり、塩を加えたり、メインの野菜や果物の種類や作り手の好み、地方によって味つけは微妙に違うみたいです。
酸味付けにタマリンドペーストを入れたり、青バナナを加えることも。
ちなみにルジャックは長時間放置すると果物から水分がでてべしゃべしゃになるので作り置きはしません。
人の出入りの激しい屋台等ではソースだけ事前に作り置きしておいて、注文と同時にさっと和えたり、ソースをかけたりしてだすようです。
そうでないお店では注文してから調味料をつぶして作ってくれます。
確かに海水浴のおやつとしてはエネルギーと水分が同時に採れていいかも。
ルジャックだけでなくココナッツジュース(ココナッツ汁にシロップを入れる)も人気でした。