カムジャ감자は韓国語でジャガイモ。タン탕はスープを指します。豚のしっぽと背の骨を長時間ぐつぐつ煮込んだスープをベースにジャガイモ、エゴマの葉、葱などを入れたスパイシーな鍋です。
日本人になじみのある韓国の鍋というとニンニクが効いた唐辛子たっぷりの辛いものが一般的ですが、この鍋は唐辛子はマイルドでカレー鍋に似た味わい。
豚肉のエキスを吸い込んだほくほくジャガイモを味わうとやみつきになること請け合いです。
濃厚スープのジャガイモ鍋。うまみがすごいっす。
カムジャタンは、豚肉で有名だった現在の全羅道地方から韓国各地に広がった料理。
“牛”の骨の代わりに”豚”の骨を煮て出したところ、病気の治療と予防に役立ち、健康食として広まって行った。
健康食というと余計な味をつけないさっぱり味を思い浮かべますが、これは、豚、ニンニク、唐辛子、ハーブ(この場合エゴマや葱)など、様々なうまみ、栄養をどんどん重ねていった贅沢な味。
特に豚の背骨からスープを作るのに1日以上かかるので、「今日はカムジャタンにする?」なんて気軽にはいかない。
材料は普通でも手間暇がかかっているのです。
豚からとったスープを唐辛子、粒胡椒などで調味し、ゆでジャガイモ、エゴマ、葱、ニンニク、トッポキなどを山盛り投入!
鍋からあふれ出た具材もあっという間にへなへなとしぼんで行きます。
煮えたら骨の周りの肉をこそげるように豚の背骨にシャブリつく。
口の中で熱々のところが崩れ落ちるほくほくのジャガイモと格闘。香りのキツイえごまの葉もニンニクの臭みも感じることもなく、バランスよく調和しています。
仲間は「これは韓国のカレーだ!」とか「絶対に韓国料理じゃなーい」とか、思い描いていた韓国の鍋料理のイメージを覆されたようで大騒ぎでした。
鍋の締めは、雑炊ではなく「ポックンパッ(炒飯)」です。
スープをじっくりと吸わせ、コチュジャン、刻みのりを加えたご飯をお玉で鍋肌に均一に貼り付けます。
炒めるのではなくて、鍋で焼く感じです。当然おこげもできる。
ご飯ではなくインスタントラーメンを投入している人もいました。
お腹に余裕があれば両方楽しむことも勿論可能。
日本で作る場合は、カムジャタンのスープを買うと手軽です。以前はモランボンが出してたけど、なくなってしまいました。キムチチゲより絶対に美味いのに。知名度かなぁ。やっぱり。
ソウル カムジャタン通り
地下鉄3号線ノッボン(Nokbeon)駅から徒歩15分の場所に
「ノッポドン・カムジャグッ通り」があるほか、
東大門市場近くに東大門カムジャタン通りがあります。
私の行ったお店はちょっと情報が古いので掲載しませんが、
地下鉄のトンデムンからみっつくらい北にある駅からすぐで、
学生街なので若者で一杯でした。
ソウルや釜山なら日本語情報で楽にお店を見つけられます。