板banは客家語のもち米やうるち米を使って作ったものの呼び名で「粄」ともいいます。條tiaoは棒状や短冊状の形状を指す言葉で、米を使って作った麺の形をした料理を現します。
うるち米を水といっしょに挽いてペースト状にしたものを薄く広げて蒸したものを細長く切って作った麺で、スープ麺にしたり、タレで和えたりして食べます。
のどごしの良さともちもちの弾力が特徴で、打ち立てかどうかでかなりおいしさが変わる。米大好き客家人のこだわりの一品。
台湾のきしめん。日本人は好きな味。
客家の人にとっては米はなくてはならない食材。
三度の食事に米が出てこないことはなく、米を使った加工食品も実にたくさん存在します。
たとえば菜包。一般的に菜包といえば小麦粉を練って作った生地で野菜などを包んで蒸したいわば野菜饅頭みたいなものですが、客家人はこの皮に餅米を使います。(客家菜包と呼ばれる。)
甘かったりしょっぱかったり、芋が混ざっていたりと日本でいう「餅」のバリエーションは実に豊富です。お焼きの皮を米で作った感じ。
この背景には客家人は戦乱に巻き込まれて、移動を繰り返してきたという歴史があります。
客家人は元々は中国大陸の北部にルーツを持つ民族で、小麦を主食としていました。
南に移住してからは米を食べるようになり、米を使って似た加工品を作ったのが始まりのようです。
台湾へ板條が入ったのは清朝時代に移住してきた客家人からでした。
新米よりも1~3年ほど経った古米を使う方が味がよくなるそうで、片栗粉を混合することで、ツルツルとしたなめらかな舌触りがあり、煮くずれのしにくい麺ができあがります。
麺そのものの味がおいしいので、スープやタレはシンプルが一番。
ネギ油や揚げニンニクをちょこっと薬味に添えて召し上がれ~。
ちなみに板條は、別名で「面帕粄」とも呼ばれます。
細長く切る前の蒸し上がった生地が真っ白な面帕(ハンカチ)に見えるためです。
閩南人の呼び方では「粿仔條」ともいうとか。
海鴻飯店
屏東県萬巒郷民和路16号
国鉄潮州駅からバスで10分、屏東駅からは30分ほど。
町一帯が萬巒猪脚街と名付けられるほど有名な町で、豚足煮込みを出すお店の他、客家の餅菓子や薬草酒などを売るお店が密集している。
海鴻飯店は付近に3店舗あり、大通り沿いの小さい工場で一人の兄さんが20個の大鍋で常に大量の豚足を煮込み続けてます。アレが売れちゃうんだからスゴイ。
萬巒への行き方を含めたレポートは他サイトにまとめました。
≫台湾の豚足で有名な萬巒の猪脚街。念願かなってようやく訪問!