豆漿 dòujiāngは豆乳のこと。台湾では早點と呼ばれるお粥、油条(揚げパン)、マントウ、そしてこの豆乳など、安くて美味しい朝食を出す軽食堂がどんな街にも必ずあります。
豆漿はふやかした大豆をすり潰し、水を加えて煮たもの。大豆の栄養を余すところなく味わえる健康食!どのお店でもホットかアイス、さらに豆の味わいがストレートなプレーンと砂糖入りと選べます。
朝は食欲がないという人でも手軽に栄養が取れる、台湾の朝のファストフードの定番です。
台湾朝食の定番!味もいろいろ。
この豆漿を持ち込んだのはいわゆる外省人と呼ばれる人です。
もともと台湾では豆乳を朝食に食べる習慣はありませんでした。
台湾では第二次大戦後、日本が台湾から撤退した後に中国大陸からやってきた人たちを「外省人」と呼び、戦前から住んでいた台湾人と区別していました。
その外省人がもたらしたのが豆漿です。
中国から台湾に渡ってきた二人の退役軍人が永和という街で豆漿店を開いたのが始まりです。
当時は外省人、本省人の対立が激しかったので、商売もすぐに軌道には乗らなかったようです。
リトルリーグの国際試合が夜中に放映されるという好機があり、人々は試合観戦のためにテレビのあるご近所さん宅に集まりました。その観戦後に帰宅途中で豆漿店に立ち寄ったそう。
以来、美味しさが広がり、永和の地には続々と豆漿店が建ち並びました。
「永和豆漿店」といえば今では台湾風のファストフードチェーンの代名詞。
台湾だけでなく、中国大陸、バンコクなど東南アジアにも店を構えています。
チェーン展開することなく、かたくなに永和の地で商売をしている店も有り。
24時間営業をしている店では様々な種類の中華軽食が充実していて、
安くて手軽に食べられるのが最大の魅力。日本のコンビニなんて負けてます。
街の隅にはおばちゃんが経営してる早朝のみ開店の小さな店も。
朝の散歩帰りのお年寄りから通勤客まで様々な人たちが立ち寄って行きます。
みんなが外食を一般的にするから安くてうまい外食店がいっぱいある。
こればっかりは、中華の文化圏がうらやましい限りです。