葱油派cong you paiは葱がはいったパイを油で焼いた物。一般的には油餅you bingという言い方もします。派というのは「パイ」という英語の音をそのまま中国語に当てた当て字です。
一般的な葱油餅は葱を練り込んだ生地を大きく平べったく焼いた物ですが、こちらは薄く伸ばした小麦粉生地に葱を包んで棒状にした後、渦巻き状にまいてからつぶして伸ばすため、パイのように層状になります。
サクサクした食感と葱の香りがいい。2。3個ぺろりといけちゃう。
葱パイとゆっても油で焼いたパイです。
葱油派(葱油餅)をこのように渦巻き状に成形するのは宜蘭です。
宜蘭県の三星という地域では葱の栽培が盛ん。
三星ブランドの葱といえば台湾で最高級の部類に入ります。
宜蘭には町おこしのために葱を使った加工品などが数多くあり、夜市や屋台で食べられる軽食も三星葱をたっぷりと使って
特徴を出しています。
大きめに葱を切り、葱の風味を楽しむためにはこの渦巻き状がぴったりだったのかもしれません。
台北の夜市でも「宜蘭葱油餅」と看板を出している店がありますが、そのお店でもやはり葱は大きめのざく切りで渦巻き状のようです。(いつも大行列しているそうな。)
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三星葱は日本の葱で言うとワケギに近く、辛味が少なくて、ちょっと火を通しただけで口の中に甘くてよい葱の香りが広がります。九条葱も似てるかも。辛みが少ない青葱です。
左は生地に葱をぐるぐる巻きに巻き込むタイプではなく、生地に葱を挟んで焼き上げたタイプの葱パイです。
この手のタイプはさっぱりしすぎて物足りない場合もありますが、このお店のは生地と葱のバランスが良く、美味しかったですね。シンプルな料理ですが、それだけにバランスが非常に物を言う。
葱だけがただただ多いと油分が足りない感じになりがちです。味付けが必要になったりとか。
ちなみにこのパイの作り方はインドのケララ・パロタに似てます。
パロタというのはカレーと一緒に食べるパンの一種なのですが、ケララのパロタは、生地を細長くのばしてくるくるくるとこぶし大のボール状に巻いていくのです。
その後、平たくつぶしてパロタの形に成形して油で焼くので、外側だけでなくて巻いた継ぎ目のところからも油が回り込んで、
ちょいこってりしたパイ状のパロタになるのですね。
南インドのカレーは北と違って油を余り使わずサッパリしてるので、パロタがこってりでもあうのですよ。
今回は宜蘭でパイ状の葱油餅を食べましたが、台北にはもっとふかふかの厚めの宜蘭風葱油餅があるみたいなので、次回は台北でチャレンジしてみたいです。
義豐葱油派
宜蘭縣羅東鎮興東路69號 open 14:00-22:00
宜蘭県羅東にある有名な葱パイの屋台。
ご夫婦でやっているお店のようですが、焼くのにそれなりに時間がかかるので運が悪いと並ぶ。
オープンしてすぐくらいの時間が穴のようです。
近くの羅東夜市でも似たようなお店がありますし、礁渓温泉の葱油餅もこれと同じような形をしていました。宜蘭ではこのタイプがポピュラーのようですよ。
地元の人が並んでいたら間違いないと思います。
三星青葱文化館
住所:宜蘭県三星郷義德村中山路31号
電話:+886-3-9893-1704
三星郷の農会(日本で言う農協のようなもの?)が運営している三星葱の育て方などをパネルなどで紹介しています。
建物の半分は売店で、三星葱関連商品の他、三星地区の農産品の直売もあって道の駅に似た感じです。
併設されている食堂や売店で食べられる葱料理も美味しいですよ。