ブンbúnはベトナムで最もポピュラーな米の麺の一つ。粉砕した米を熱してお湯に溶き、ニューッと口がねから沸騰した湯の中に絞り出して作ったもの。ヌックnướcは水という意味で、汁麺。スープの中に入ったブンのことです。
ブンはベトナム全土で食されており、汁あり、汁なしの他、ご飯代わりにおかずと一緒に食べたり、焼き肉や鍋に添えられて出てきて、ライスペーパーに野菜とブン、肉をのせてくるくると巻いて食べたりと、癖がなく地味な味なだけにどんなシチュエーションにも合わせられます。
ベトナムの麺はフォーばっかり取り沙汰されますが、ブンの方がポピュラーなのであります。
米所の東南アジアでは米麺が定番!
ブン・ヌック・レオはベトナム南部のソクチャンの名物料理です。
メコンデルタ周辺には先住民のクメール人が今でも多く住んでおり、そのクメール人の食べていたものがベトナム風にアレンジされた物です。
米麺のブンをカーロック(雷魚)でとったスープで食べるもので、具だくさんでごちそうみたいなのに、実にさっぱりともたれずおいしい。
ブンは水分をしっかり含んでいて、つるつるっとのどごしがよく、適度な弾力とさっぱりと軽い味わいの麺です。
その上に、ゆでた海老、ふんわりとした白身魚(雷魚かしら?)、カリカリに揚げた豚肉と味わいも食感も違う具がどっさり。
「具だくさんだなぁ」と感心してたら、もっとびっくり。
麺のしたには大量の野菜が埋め込まれておりました。
そして、食べる前にライムをぎゅーっと搾って。
添えられたたでの葉の香りと、ライムの酸味が加わって、ベトナムの味だなぁとしみじみと感じます。
もちろん、卓上の調味料で最後に自分好みの味に仕上げるのだろうけど、なんかヌックマムとか入れなくてもそれはそれであっさりしてておいしいです。
ちなみにクメール人が食べるブン・ヌック・レオは魚の発酵調味料の香りが強いのだそうです。
クメール人の居住区に行けば食べられるようですが、食べる機会は未だありません。
ブンは甘辛いマムというタレを入れたこってりしたスープとか、トマトスープに入れたりとか、もう食べ方は千差万別です。
フォーは肉と一緒に食べる麺ですが、ブンは何でもありなんだって。
絶対に麺ができたての方がおいしいよね。
でもそんなの製造所じゃなきゃたべられないなぁと思います。
ブン・ヌックとしてお店で食べるとつるつるでもちもちなのですが、焼き肉や鍋に添えられているブンはべったりとしていて、伸びちゃっている感が否めませんので。
町中の麺屋さん
ソクチャンは町を歩いていると至る所でブンヌックレオの看板を見かけます。
麺屋さんなので、ブンヌックレオだけでなく他の麺も作ってもらえますが。
そして、日本ではベトナム料理店の前菜によく登場する生春巻きも、こういうお店にずらりと並ぶ。
女子高生たち(いや、男子もですけど)のおやつとして食べられるものだからです。
是非、食べてみて。