台湾はかつてパイナップル缶の輸出大国。このパイナップルを使った加工品を中華風のデザートに仕上げたのがパイナップルケーキの始まり。
パイナップルをジャムにして外側はパイ生地だったのが、クッキー生地に変わったのが現在のパイナップルケーキ:鳳梨酥です。
パイナップルの繊維質がいまいちだっていうことから冬瓜を混ぜた餡が定番でしたが、今ではパイナップル100%のパイナップルジャムが入った物の方がうけている気がします。
店によって中華菓子っぽくラードの風味が強かったり、バターがきいて洋菓子っぽかったりと味はいろいろ。一つ買って味を確かめてから買って帰りたい。
特に食べ比べようという気で食べているわけではないのですが、
気が付いたらいろんなお店のパイナップルケーキを食べまくっていました。
とはいえ、台湾中のケーキや、パンや、中華菓子店、土産物屋等々、
あらゆる菓子メーカーが作っているので種類など数え切れません。
購入の一つの目安は値段かなぁ。
1個あたり15元以内のものは冬瓜餡が混ざっていて、油もラードや植物油。
1個30元以上出すとバターの香りが強く、なめらかなクッキー生地にパイナップル100%のパイナップル餡が入っていたりして、とにかくいかにも使っている材料が上質で、材料費が高い。
自分のおやつ用、職場への義理土産、大事な人へのお土産用と、
値段と味の好みで分けて購入するといいですよ。
間違っても義理で配る職場用に1個200円近いのを買うのはもったいない。
(味にうるさい上司なら別ですけど。安物は嫌み言われちゃうから。)
台湾ではいろんな店がいろんなパイナップルケーキを作ってます!
高雄の老舗菓子店:舊振南餅店
高雄で百年の歴史を持つ老舗中華菓子店。贈答用の中華菓子各種がそろう。
パイナップルケーキだけなら空港で買えますし、空港は免税価格です。
このお店のパイナップルケーキは計算してみると1個あたり200円近くした気がしますが、クッキー生地にバターがたっぷりと使われていて、ほどよい甘さとパイナップルジャムの酸味が口の中にとろける。口の中でほろりと崩れるクッキーは中華菓子というより洋菓子に近い。中身もジャムだし。
ただ、パイナップルケーキよりもさらにおいしかったのが杏仁餅です。
お店においてあるあらゆるお菓子は殆どが試食できるので、味見してから買うといいですよ。どれも贈答用の豪華なパッケージ入りです。
空港で買うと、箱には入っているけど、お店オリジナルの紙袋には入れてもらえないです。
日本にも進出!南投県生まれの話題のお店:微熱山丘
2008年に南投県で創業した微熱山丘のオーナーは元々電子業界で働いていた異業種からの参入。
パイナップル農家を継いだ弟さんや地元のためにできる事を考えた時、「パイナップル100%の鳳梨酥を作ったらどうか」という提案を受けて作ったというのが始まりだとか。
パイナップルジャムは冬瓜の餡が入っていないため、なめらかさがなく、パイナップルの繊維がたっぷりのまさに自然の味で、甘酸っぱいパイナップル餡とバターを使った洋風の記事が相まって、あっという間に人気店に駆け上がりました。
今では日本にも進出しています。東京のど真ん中です。
シンガポール、上海、香港と、アジアの経済の中心都市への進出に成功しています。
お土産で買う場合、台北の松山空港近くの支店や、それこそ桃園空港でも売っているので、前よりも手に入れやすくなりました。
かわいらしいイラストもいい味出していて女子受けすること間違いなし!です。
台北の有名店:ChiaTe佳德糕餅
1975年創業。1995年に台北第一回鳳梨酥節原味(オリジナル味)鳳梨酥金賞獎第1位受賞のお店。
お店では定番のパイナップルケーキから、パイナップルに他の味がミックスされた創作パイナップルケーキまでいろんな種類がそろう。
このお店の袋を持っていると「そこのパイナップルケーキはおいしいよね!」とタクシー運転手から話しかけられたりするそうだ。
少し旅行者には行きにくい場所にありますが、わざわざタクシーで乗り付けて買っていく日本人も多いようで、需要があるので日本の台湾土産を扱うお店でも仕入れて販売しています。
楽天市場などに出店しているお店からで台湾から個人輸入もできます。現地で買うより割高だけど、旅費と時間を考えたらまあこんなもんかという値段で買えます。台湾行ったフリとかもあり?
九分のお茶店:九分茶坊
こちらは北台湾の観光地、九分の茶店のパイナップルケーキ。
ただのパイナップルケーキではなく、烏龍茶を生地に練り込んである烏龍茶鳳梨酥です。
クッキー生地の甘さが控えめな印象でさっぱりと食べられる。
このお店に限らず、烏龍茶パイナップルケーキは結構いろんな店で作ってます。
基隆の老舗:李鵠餅店
こちらは台湾北部の港町「基隆」で、地元の人たちにこよなく愛されている基隆の老舗のパイナップルケーキ。
味も素っ気もない問屋かなにかのような店舗にずらりと菓子が並べられていて、いかにも普段着の味。
冬瓜が入った昔ながらの味で、創業以来味は変わっていないそう。
値段も1個50円以下なので良心的。ただし、10個単位でしか買えない。
このお店の鳳梨酥は10年前の初台湾で食べました。
台北に支店があって、ガイドブックではここだけを紹介していたから。
いつの間にかいろんなお店が増えていて選択肢が増えました。
当時は単にガイドブックが勉強不足だったのかもしれないですが、このお店のような素朴な味から始まり、だんだん材料にこだわった豪華?な味に進化している感じです。食べる人の好みに合わせてチョイスですね。
台東の土産物屋:阿美麻糬
かつて台東の原住民の食事に欠かせなかった粟を使ったお菓子から始まったという台東のお菓子屋さん。阿美というからには阿美族の方の経営と思われます。
そこのパイナップルケーキはただのパイナップルケーキではなく、台東の特産品の一つである「洛神花」が入ったもの。
洛神花はハイビスカスの中まで、日治時代にシンガポールから台湾に伝わって根付いたとか。
ビタミンがたっぷりで酸味があるので、砂糖漬けにすると甘酸っぱい味。
それがパイナップルケーキの中心に入っています。
お土産に配ったらかなり好評でしたよ。
このように台湾の地方に行くと地方の名産品がミックスされたパイナップルケーキを見つけることができます。
花蓮のパン屋:綿花甜
花蓮のパン屋さん綿花甜のパイナップルケーキ。
台湾のパン屋さんは手作りの洋菓子も作って販売していることが多く、必ずと言っていいほど鳳梨酥もおいてあります。
洋菓子も割と本格的なケーキを扱っていたりするので、旅の途中に無性にクリームとかスポンジケーキを欲したときに行くとよいです。
パン屋さんに置いてあるパイナップルケーキも中華風ではなく、洋菓子店の味に近い物が多い印象です。
例えば油はラードではなくバターを使っていたりする。
人気急上昇で一気に駆け上がったパイナップルケーキの専門店微熱山丘(サニーヒルズ)の鳳梨酥(パイナップルケーキ)と見た目がにた感じでした。
ばらまき土産:スーパー、コンビニ、新東陽がおすすめ。
コンビニやスーパーのお菓子売り場に行くと絶対に箱入りのパイナップルケーキがあります。
義理で買わねばならない職場の人や、味にこだわらない人などへのばらまきはこっちで充分です。
写真のは2011年くらいのファミマのPB。見た目もあまり安っぽくないですね。
安くてそこそこの味で、パッケージも凝ってていい感じ。
土産物屋の新東陽などではばらまきに最適な安いものから、高い物までいろいろそろってます。
とにかく大量に必要な場合はカルフールとかにいくといいです。
まとめ買いのバンドル売りでセールやってたりします。