かつてパキスタンのフンザは、夏になると暑さから逃げるかのように日本人長期旅行者や学生などがわーーっとたむろしていた。フンザはそれほど重装備でなくても氷河トレッキングに出れるので、宿で出会った旅人と連れだってトレッキングをしたり、中には何となくギルギットとフンザを行き来してみたりと、旅のスタイルは様々でした。
ギルギットでは日本人女性が経営する宿が彼らの根城でしたが、フンザではいくつかの宿に分散していました。そんな中にあるコシオサンゲストハウスは、誰もがその食事を絶賛していた。
私の場合、コシオサンゲストハウスには宿泊しなかった。
というのもギルギットで熱をだして寝込んでしまい、宿泊できる時間がなくなったのだ。
ジープをチャーターし、奥にある村を観光し、ギルギットに戻る前にフンザに立ち寄った。
ギルギットの宿から同行して貰った日本人女性をフンザでおろし、
そのまま評判の宿で食事だけすることにし、サンドイッチとスープを頼んだ。
シェフ自らが給仕してくれたスープにおそるおそる口を付けてビックリ。
なんだこりゃーー。超うまい。
材料がなんなのか、スープを何で取ってるのかもよくわからない。
でも、鶏とも魚とも思えない。獣臭さも魚臭さもないってことは植物系?
スープに浮いている実のホロ苦のアクセントがまたポイント。
スパイスの一種なんだろうけど、なんだろうこれ。
連れの注文したサンドイッチを一口、これもまた仰天のうまさ。
薄っぺらいパンに、チーズと2mmくらいのうすーいトマトを挟んだだけなのにめちゃくちゃ美味い。
ああ、これチーズが旨いんだ。ものすごく味が濃い。バターもできたてだ。
甘みもバランス良い。く~、最高っ。
ヒマラヤの奥深く、素朴な安宿があるだけの山間の町なだけにびっくりした。
きっと今頃はどこかの高級レストランに引き抜かれているのだろうけど、
旅先で思いもよらない感動的な味に出会えると嬉しいですねぇ・・・。
「メニューをください。」
「ありません。ある材料で私が適当につくります」
というわけで、シェフの気まぐれスープと呼びたい。
———以上、旅行記より抜粋———–
旅ナビのインド旅行記 PartV 第12話参照下さい。
KOSHIOSANGUESTHOUSEは、カリマバードのニューガニシュロードの二つ目の大きなカーブの下の安宿が固まっている一角にございます。
向こうに行った方は、他のところに宿泊しても、ご飯だけはここでどうぞ。
(情報は2001年8月の物です、あしからず)