旧暦8月15日は中秋節です。この日の夜は家族で集まり、庭にお供え物を並べて、月を拝んで月見をします。その時に欠かせないのが「月餅」で、月餅や果物などを食べながら、豊作を祝ったりしていました。春節(旧正月)、元宵節、端午節と並び中国の四大祭りの一つです。
この中秋節の前に中華文化圏を旅すると、あちこちで月餅が売られているのを目にします。
日本では十五夜=月見団子で、月餅というと中華街でいつでも買える中華菓子の一つに過ぎませんが、本場では全然違うのです。
こちらはシャングリラホテルで売られていた月餅です。
前回は「端午節」の前に滞在していたので粽を買ってきましたが、
今回は中秋節前だったので、月餅です。
まん丸お月様のプリントが雰囲気だしてます。
袋から中身を取り出すとこんな感じ。
ものすごく立派な箱に入っていて、ゴミにするのはもったいない。
ラメ入りの紫地に金色の帯でシャングリラ。高級ホテルですなぁ。
さらに箱を開けました。9個入りでした。
プラスチック製のナイフやフォークが入っていて、
なんだか熊本の陣太鼓みたいです。(形だけなら似てるけど。)
個包装の箱を開けてびっくり。なんだこの小さい月餅は!
過剰包装にも程がある気がします。おいおい。
箱は8x8cmくらいあるのに直径4cmくらいの月餅です。
ちょっと詐欺みたいだけど、きっと中身は高級なのでしょう。
ちなみに粽の時と同じく、北京の会社が作った月餅でした。
こちらは長春で一番有名なお菓子屋さんの月餅だそうです。
左も右も同じものですが、左は4個入り、右はシャングリラのと同じく、
大箱の中に小箱で個包装になっています。
「長春市鼎豊真食品有限責任公司」というお店の月餅です。
鼎豊真ブランドとして人民政府が長春の名産品に認定していた物です。
鼎豊真の4個入りを開けてみました。
こちらは日本の中華街で売られている一般的な月餅と
大きさは同じくらいです。
鼎豊真の個包装の物。4個入りと大きさは同じです。
ビニール包装の上にさらに箱入りになっていて、
包装の仕方は仙台の萩の月みたいですな。
本日が2011年の中秋の名月、9月12日であります。
ちなみに先ほど、中華文化圏では中秋節に月餅を食べると書いたわけは、
中華系民族が居住している東南アジアなどでも9月頃から月餅を大々的に売り出しているからです。
バンコクではドリアンを入れたドリアン餡の月餅などが売っていますが、
私は面白がって土産に買って帰ったことあります。
匂いでどん引きされましたが、ドリアン大好きな先輩にだけ「美味しい!」と言ってもらえた。
笑って食べてくれる土壌が日本にはまだなかったです。
うちは昔から月見だんごすら家に備えたことありませんけども、
今年はせっかく土産に貰ったから月餅を食べようかと思っております。
うーさぎ、うさぎ。何見て跳ねる。十五夜お月様みては~ねる。 ♪
ちなみに中国ではウサギではなく、「月娘」と呼ばれる女神が住んでいると言われる。
なんか萌えキャラになりそうなネーミングです。月娘=イエニャンです。
2011.9.12 追記
2011.9.12夜空を見上げると萬松お月様が出ておりました。
満月。じゅうごやおつきさまみてはーねる。であります。
雲もかかっておらず、美しい月夜です。
というわけで、月餅を早速食べました。
こちらは北京のお菓子屋さんで製造された月餅です。
シャングリラホテルが特注した商品らしい。
この前の粽も北京の会社名でした。
シャングリラグループで契約してるんかね。
ハスの実とカボチャ、白あんがミックスされた上品なあんこで
甘さが控えめ。これ、日本人にも絶対受けます!!
中華街で売っている月餅はあんこに蜜がたっぷりで甘かったり、
木の実やごまなどがたっぷり。栄養満点って感じですけども、
こいつはクコがちょこんと入ってるだけのシンプルな味。うまい!
ちょっとお高いようですが、お土産に買っても喜ばれます。
(まー、もう売ってないと思いますが。)
シャングリラの月餅と長春のお菓子屋さんの月餅を並べて比較。
見てください。この大きさの違いを。
値段も大きい方が安いそうです。シャングリラのは高級菓子だった。
でもこのお菓子屋さんの前には大行列ができていたそうで、
つまり長春の庶民の好みの味つけって言うことだと思われます。
長春の人たちに人気の月餅を切ってみました。
シャングリラの月餅とは中身が全く違うのがわかります。
松の実、くるみなど木の実がぎっしりの木の実餡です。
甘さも控えめで、日本で売っている脂っぽくて黒蜜や
黒ごまがたっぷりのしつこい月餅はなんなんだ。
中国の東北地方は粽も甘さ控えめのあんこが入っていたし、
お菓子もこういうのが好まれるのかもしれません。
これはこれでうまいです。サッパリした木の実餡です。