台湾

臭豆腐 chòu ​dòu ​fu​ [揚げ発酵豆腐]

臭豆腐 chòu ​dòu ​fu​ [揚げ発酵豆腐]
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臭豆腐は、その漢字の意味から想像できるように、とても強烈な匂いを放つ豆腐の発酵食品です。地域によって漬け汁も食べ方も異なりますが、一般に、植物の汁や石灰等を混ぜ、納豆菌、酪酸菌で発酵させた漬け汁に一晩程度つけ込んだものを揚げて食べます。台湾では漬物が添えられている場合が多い。
豆腐の植物性タンパク質が発酵し、アミノ酸に変質することで、独特の風味と臭気を放ちます。現地でも好き嫌いがはっきりと分かれ、我が国のくさやのような存在である。

臭豆腐臭豆腐

匂いになれればやみつきになる。くさやみたいなものです。

臭豆腐を割ったところ臭豆腐を割ったところ

臭豆腐は中国大陸の湖南省が発祥とされ、
台湾には戦後渡ってきた外省人がもたらしたと言われます。
夜市や専門店では素揚げにした臭豆腐と漬物で食べたり、(食べ歩きしやすいように串揚げになっている場合もある。)臭臭鍋と呼ばれる、臭豆腐入りの鍋などが食べられます。
文字を見た瞬間、「うっ」と拒否反応を起こしそうなネーミングです。

臭豆腐の皿臭豆腐の皿

夜市をぶらりと歩いていて「なんだかどぶの匂いがする。」「下水がちゃんとしてないのかなぁ?」と思いきや、匂いの元は臭豆腐だったりして、とにかく強烈なわけです。
(↑冷静に考えると失礼な話。スイマセン。)
 
中国大陸でも台湾でも好き嫌いが分かれるといいますが、漬汁が店によって異なるため、あまり臭くない物もあります。
匂いが苦手な人もその美味しさを楽しめるのですから、そのようなお店は常に行列が絶えません。

臭豆腐を割ったところ (台東:林家臭豆腐)臭豆腐を割ったところ (台東:林家臭豆腐)

淡泊な豆腐の表面が絶妙にうまみ成分を衣にまとい、さらに揚げることで外はカリカリ、中はふんわり。
甘酸っぱい漬物と、店オリジナルのタレで人気を呼びます。
 
発酵が進めば臭いし、臭くなれば臭くなるほどうまみが増す。
臭豆腐が好きな人にとっては物足りないかも知れませんが、初心者には臭くない臭豆腐は取っつきやすいです。
 
ちなみに台湾東南部の台東の人気店:林家臭豆腐の豆腐は普通のお店の臭豆腐の豆腐より豆腐が薄めにカットされていて、絹ごし豆腐と油揚げの中間くらいの水分の抜け具合です。

台南夜市の延記臭豆腐台南夜市の延記臭豆腐

日本にあるもので例えると栃尾の油揚げが近いと思う。
 
その臭豆腐を揚げて皿に載せタレをまんべんなくかけたあと、手で豆腐を押さえてひっくり返して、いったんタレだけ捨ててしまいます。
そしてまたタレをかけて、捨ててと数回繰り返すことで、スポンジのように適度に隙間のある豆腐の中にたれがまんべんなくしみ込みます。
勿論、カリカリとした食感が命なので、手早くさささっと繰り替えす。
 

台東 林家臭豆腐の外観台東 林家臭豆腐の外観

いつも行列してたけど、なるほどの味。ホントに美味いです。
臭豆腐のみの扱いなので、隣の米台目の店に持ち込む人も多い。
2回目に行った時には店舗が拡張しておりました。
 
臭豆腐の本場中国湖南地方では真っ黒い臭豆腐もあるそうです。
長沙では漬け汁が真っ黒なため、白い豆腐が黒く変色する。
黒臭豆腐を油で揚げ、ニンニク、唐辛子、香油のソースで食べるとか。
その匂いはかなり強烈らしいが、食べれば香ばしいそうだ。
一度食べに行ってみたいものである。