ロキシーraksiはネパールの家庭で作られる手作りのお酒のこと。米、シコクビエなどを主原料にして作られた蒸留酒で、お祭りの時の祝い酒としてや、晩酌など、お酒をたしなむ民族、呑む人には飲まれます。
主原料に麹、砂糖などを加えて寝かせて発酵させた物を蒸留すればできあがり。作り手や材料により味が全く異なり、品質はバラバラです。日本じゃ酒税法のせいで個人では作っちゃだめなんですから、ネパール人にしてみたら「なんで?」って感じでしょうね。
ネパールの焼酎です。お酒も飲む
ネパールの民族の中でも特にネワール族はお酒好き。米や麦に麹を混ぜて発酵させて作ったチャンと呼ばれるどぶろくはロキシーに比べて作る手間が少なく、日常的に飲まれます。
アルコール度数も低いため、農作業の合間に水代わりに飲んだりするそうで、日本ののんべえにはなんともうらやましい話です。
お酒は家庭で作ることが常識なのでレシピも様々。だから飲む場所によって味わいが変わります。
自家製ロキシーのレシピは家庭に受け継がれてゆくおふくろの酒ってところでしょうか。
私の飲んだ範囲では、沖縄の泡盛に似た味わいものやラオスのラオラオに似たきつめの香りがするものなどがあった。どちらも原料が長粒米で作られた米のロキシーだった。
違うのは麹に住み着いた菌ってところだろうか。
また、アンナプルナの周辺では、このあたりで取れるリンゴやぶどう、杏を使ったロキシーが飲めます。
グラスからはフルーティーなリンゴの香りがぷーんと漂いますが、やっぱりアルコール度数は強く、さわやかな香りにつられてがばがば飲んでしまうと、大変なことになります。
ちなみに家庭でロキシーやチャンを作って飲むのはOKでも、それを販売してはいけないそうです。
ロキシーはサービスの一部としてただでくれる店もありました。
そういうお店ではロキシーはダルバートの野菜のおかずのように、何回お代わりしてもただ。
個人経営の宿では、主人がお客と飲みモードに突入してしまい、翌日二日酔いで起きてこなかったりして、ネパールの酔っぱらいも日本の酔っぱらいとやることは同じでした。
お隣のインドではお酒を呑む人も少ないし、お酒に酔うことがみっともないと軽蔑されたりするので、こうも違うものかなぁと興味深かったです。
山岳民族ですし、酒で体を温めるっていう発想もあるのかも。
ちなみにアンナプルナのマルファ村では日本のNGOの支援でリンゴを栽培しています。
リンゴそのものを出荷するほか、加工したお酒を販売してます。
こちらはお土産に買って帰れますので、どうでしょうか。