カンチャンパkanchembaは、そば粉に塩と水を加えて練って作った短い麺を油で揚げたスナック。麺の形状は中国の老鼠粉と同じです。
ネパールのチベット系民族タカリ族のスナックの一つで、麺には殆ど味付けがなく、添えられた唐辛子をつけながら食べます。
カリカリに上がったそば粉の香ばしい香りと、辛いんだけどつけずにはいられないビリビリ感があとを引き、ビールやチャンに添えれば次々と手が伸びることうけあいです。
世界にはそば粉を使った料理もいろいろあります。
ネパールの中でもタカリ族はグルメで知られているそうです。
タカリ族のルーツはネパールのアンナプルナ地域ですから、土地は痩せていて米などは取れません。
今でも名産品はそば粉やじゃがいも。
それらをおいしく食べるために工夫を凝らした料理が多いです。
チベット系の土地ではおいしい物は食べられないという勝手な思いこみがあった私は反省しまくり。
そば粉やじゃがいもなどの淡泊な味の食材をおいしくするのはスパイスの存在です。
カンチャンパに添えられているのは見た感じ一味唐辛子なのですが、ティムルと呼ばれる山椒の様なスパイスが混ざっているそう。
唐辛子のツンとした辛さだけではなかったのですね。
また、流通が行き届いている現在は主食は米が定番ですが、タカリ系の食事を出してくれるレストランではそば粉を練ったディロと呼ばれるネパール風そばがきを食べられます。
これはそのまま食べると味も素っ気もありませんけど、ダルスープなどのスパイス系の汁物に混ぜながら食べます。
だから、カンチャンパ同様、そば側に塩気は少なめです。
さらに驚くことにカトマンズでは手打ち日本そばが食べられます。
こちらはタカリ族のルーツでもあるトゥクチェ村の名産品のそばを売り物にしたいと考えた方が日本に職人を送り込んで修行させたとか。
あまりのレベルの高さに「ここは日本か?」と錯覚するほど。
ネパールのそば料理、いろいろお試しください。