グラブgulabはバラ、ジャムーンjamunは黒い色をしたいわゆるブラックベリーの名前。
小麦粉と牛乳を使って作った丸いドーナツをシロップ漬けにした物で、もともとジャムーンベリーの様なころんとした形のドーナツをローズシロップ漬けにしたからこの名前がついたと思われます。
ふわふわに膨らんだドーナツの生地の隙間に甘いシロップがしみこむため、どっしりと重く、頭がきーんとするくらい強烈に甘いのですが、インドでは割とポピュラーでいろんなところで出会えます。
暑さにやられて猛烈に疲れているときなど、一瞬で隅々までエネルギーが行き渡ってよいかもしれません。
すごく甘いドーナツ。蜜漬けです。
このスイーツはテレビの日本で食べられる外国の甘い物特集などで、しょっちゅう出てくるので見たことのある日本人も多いはず。
アメリカンドーナツや沖縄のサーターアンタギーなどは、生地に砂糖を混ぜるので、揚げたての熱々を食べても美味しいのですが、このインドのドーナツは生地には砂糖を混ぜません。
小麦粉、ミルクパウダー、ベーキングパウダー、ギー、卵などを混ぜ、丸く整形してそのまま油で揚げてしまいます。
そのまま食べるには味が足りない。かといってシロップに漬けると、ぱさぱさのドーナツがシロップを余すことなく吸収してしまい、生地の味がほとんど感じられません。
ドーナツ生地はさしずめシロップを吸収させるためのスポンジのような役目をしています。
さらにシロップにはローズエッセンスの他、カルダモンも入ります。
強烈に甘く、エキゾチックな香りがするので、お土産にするのは微妙なところ。
インドや中東などの甘いお菓子になじみがない日本人には敬遠されそう。
実はインドではこういう系統のお菓子は珍しくありません。
パイをシロップ漬けした物などもあります。
ムガル帝国時代に中東の方から入ってきたお菓子かなぁ?と想像してます。
(憶測なので、事実がわかったらこのページは書き換えます。)
シロップでべしゃべしゃなのでお土産に持ち帰りにくいお菓子ですが、スーパーではグラブ・ジャムーンミックスも売っていますし、ハルディーラムなどの有名メーカーで缶詰も出しています。
また、日本にあるインド料理屋にもデザートにありますので、食べてみるのも一興です。
でも、高カロリーだよな~、ほんとに。
(粉が油を吸収してるのに、さらに砂糖がびしゃびしゃだから。)