パティヤラはインド北部パンジャブ州にある地方都市。かつてはインド有数の藩王国であり、今もマハラジャの子孫が暮らしている(郊外にある宮殿はインド政府に寄贈)。
パティヤラ風チキンはそんな歴史的背景を持つパティアラ地方の宮廷料理。北インドはムガール帝国の支配下におかれた影響でカシューナッツ、松の実、ナッツ類、生クリームを多用したこってりしたカレーが好まれますが、こちらもやっぱりカシューベースの濃厚カレーです。
鶏肉のこってりカレー。北インドの料理です。
北インドの主食は小麦。アッタと呼ばれる全粒粉で作ったチャパティやナン等と共にカレーを食べます。
濃厚でどろりとしたカレーはパンで包んで食べるのもたやすい。(米食文化の南はさらりとご飯にしみ込む煮込みが多い)
この店のチキン・パティヤラは一工夫してありまして、チキンと野菜をスパイスで軽く味付けしたものをチャパティで巻いて、その上からトマト、ヨーグルト、カシューナッツたっぷりのグレービーなカレーソースをだーーーっとかけてある。
仕上げは削ったチーズとコリアンダー。トマト色の赤いカレーに緑と黄色のふりかけで色も鮮やか。やっぱりパンジャーブはごちそうカレーだよなぁとつくづく思います。(↑何てったって、宮廷料理だもの)
かつてのインド・パキスタン分離独立時にこの地方に住む人々が世界中に流れた影響か、はたまた世界中の人がこってり、はっきりした味を好むからなのか、インド国外にあるインド料理屋はパンジャブ料理を出す店が多いです。
日本でもカシューナッツベースのグレービーカレーを食べる機会も多いはず。
六本木ヒルズのインド料理屋ではパティヤラ風チキンカレーが食べられるみたいですよ。