ラドゥーladdooはインドのお菓子の一つで、ひよこ豆や緑豆の粉を使って作られるものです。材料はとてもシンプルで豆の粉、ギー、砂糖がベース。カルダモンパウダーで香り付けしたり、ナッツやレーズンを混ぜたものもある。
口の中に含むと、ほろりと崩れるところは落雁にそっくりなのですが、驚くべきはその甘さ。なんと材料の半分近くが砂糖で占められる。小さなミタイー屋さんでは当然手作りでしょう。混ぜ方が均等でなかったりするので、噛むと砂糖がジャリっていいます。
代表的なお菓子の一つなので、味見してはいかがでしょう。疲れ吹っ飛びますよ。
形だけはなんとなく似てるが味も見た目も日本のとは違う。
このお菓子はヒンドゥ教の神様ガネーシャの大好物とされています。
ガネーシャを見かけたら手元を見てください。日本の月見団子のように丸い物体が積み重なったお皿を持っています。これがラドゥーです。神様へのお供え菓子としても作られます。
というか、元々お供えの意味の方が先ではないかと思います。
ヒンドゥのお寺の近くにはたいていお菓子屋さんがあります。特に聖地バラナシではお菓子屋さんの数が半端ではないです。
ある日の夕方、小さな寺院の前を通りがかった時、子供たちが祭壇の前に整列して、大人から何やらもらっているのを目にしました。きっとお供えのお菓子を分けてもらっていたのです。
お供えをそのまま置いておけば蟻や鳥に荒らされてしまいます。その前に子供達のおやつになるのはとっても理にかなっている。
ちなみにこれらのお菓子はお菓子屋さんで購入するよりも、家庭の主婦が手作りするのが一般的です。インドではお客さんをもてなすときに甘い物を添えるのは不可欠で、ラドゥが添えられることもある。
街角のミタイー屋のパッケージに「ホームクオリティ」と書いてあったりするので、要するに家庭の味の方がうまいっていう認識が強いのだろう。
(プロの味をありがたがる日本とは真逆。)
作り方は簡単で、ギー(または溶かしバター)をフライパンで温め、ベサン粉等を加えて炒めて火から下ろします。
そこに砂糖、カルダモンパウダー、入れるならナッツを入れて混ぜた後、丸く整形し、冷めるまで待てばできあがり。バターの油脂でお団子が固まります。
ちなみにとあるメーカーの市販のラドゥーの成分を見たところ、ギーが25%、砂糖が45%、豆粉が25%、小麦粉が5%という配分でした。
ネットで見つけたとある主婦のレシピなど、豆粉125gに対し、砂糖は3~4カップ。
1カップ200mlとして上白糖でも110gですから、つまり330~440gも入れる。
日本の落雁も砂糖の含有率は高いのですけど、ラドゥーの方が甘く感じました。
使っている砂糖の違いもあるかもしれませんが、ぎっちりがっちりと固めてるので、密度が濃いんじゃなかろうかと。
インドのお菓子は目が覚めるかのように甘い物が多いのですけども、
夏など50度近くになるくらい気温が上がって体力消耗し、
茶菓子もこのくらい甘くないと、頭も、体力も戻らないのかも知れません。
いや、お供えなので、日持ちの意味もありそうです。